10年前のインプラントのネジが緩んできたと来院されました。

そこで、被せ物を壊してネジ止めし、再びセラミックを被せることとなりました。

ネジの緩み以外は問題ありませんが、ほおっておくとネジが折れてインプラント除去になるので、すぐに来院してもらい被せ物を除去しました。

 

✳︎インプラントは、1本ネジで留めるために毎日の食事による微振動でネジ緩みを生じます。

いくらしっかり留めても、緩むことがあります。

 

注意:ハートフル歯科では現在、主に使用しているバイコンインプラントは、槌打タイプなのでネジがありません。

そこでネジ緩みというトラブルは起こりません。

ネジ止めタイプのインプラントは、パッシブフィットがあると緩みにくい!

緩ませない工夫
・セトリング
何度かネジを締めて、緩めてを繰り返す。何度もやると、ネジが少し伸びてバリが落ちる。→緩みにくい締め方です。
・締結試験
一旦、ネジを締めて留まったところから、90度かしめて本締めとします。これを締結試験と言います。パッシブフィットがないときは、一旦締めた後、ズルズルと本締めになってしまいます。
適合不良と判断します。

その2点を確保して、インプラントのパッシブフィットが得られたとしています。

それでも緩む事はあります。

ネジ止めインプラントの宿命です。

今回、そのインプラントを外そうとしたら、白い粒が見えました。

これです。

10年以上経って、人工骨が異物排除で排出されてきました。

不思議ですね。

骨化することができなかった、人工骨片が10年かけて異物排除されてくる。

そういうこともあるんですね。

驚きました。

インプラントのネジの緩みと人工骨の異物排除に出会ったので、紹介します。

数多くインプラントを手掛けるとこういうシーンに遭遇することもあります。

良い機会なので、紹介しました。

バイコンインプラントを中心に取り入れてからそろそろ10年が経つので、ネジの緩みを見ることが少なくなると思います。

全ては、患者さんの未来のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科