入れ歯のピンクのプラスチックは、粉と液を混ぜて硬化させます。
 
硬化は化学反応によってすすみます。
 
①長時間かけ、水中で加熱重合、冷却する。(9時間以上)
(普通は1時間程度です)
②電子レンジを使って重合する。
③ドライ重合、常温重合によって硬化する。
④ 加圧しながら加熱重合する。「射出成型法」(イボカップシステム)
⓸番の射出成形方式だけは、重合収縮を担保するシステムとして従来法の中では、優れていると言われていました。

粘膜面から加熱して硬化重合させます。
 
収縮してくると人工歯側から硬化前のプラスチックを加圧注入します。
 
変形分の未重合物を押し込み、補償していくからです。
 
変形を担保する入れ歯の作り方は、革命的だと言われていました。
 
しかし、この後でてきますが、この射出成形方式のプラスチックの半分の変形でデジタル義歯は作られています。
 
「温故知新」
噛める入れ歯を作るために、今までもプラスチックの変形ゼロにチャレンジしていたことを改めて理解しています。
 
別解答:ゼロ収縮を目指す入れ歯作り
 
裏技的な方法として、特別な石膏と液を使い、石膏を膨張させる。
 
その膨張で、プラスチックの収縮を担保します。
 
2%収縮するなら、2%大きな石膏模型にすれば良いという考え方です。
 
口腔内1×石膏膨張1.02×重合収縮.098=0.9996
 
意外とよく補正されていますよね。
 
しかし、重合収縮が2%ではなく、プラスチックの厚みによって若干異なっているのでこの計算通りにはいきません。
 
収縮ゼロを目指して、デジタル義歯は開発された経緯も理解に優しいと思います。
 
全て患者さんの笑顔のために・・・
 
下田孝義
医療法人社団徹心会ハートフル歯科