離乳食後期(カミカミ期)~噛む練習が始まる大切な時期~
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、稲田英里子です。
今回は離乳食のお話の第3回目です。
カミカミ期とは、離乳食後期で一般的に生後9ヶ月~11ヶ月ごろの時期を指します。この時期は、まだ奥歯は生えていませんが、奥の歯ぐきで食べ物をカミカミできるようになる特徴があります。赤ちゃんの舌も成長し、前後に動かすことから上下に、そしてカミカミ期では左右に動くようになってきます。
### カミカミ期に食べられる食材
カミカミ期では、繊維の多めの野菜や肉なども食べられるようになります。以下はカミカミ期から導入できる食材の一部です。
#### 炭水化物
– 5倍かゆ(米1に対し水5で炊いたおかゆ)や軟飯(米1に対し水2~3で炊いたおかゆ)。
#### 野菜・果物
– さやいんげん、さやえんどう、もやし、とろろ昆布、きのこ類など。
#### 肉・魚
– 魚類:生ダラ、さんま、あじ、さわら、ぶり、いわしなど。
– 肉類:鶏ひき肉、鶏もも肉、レバー、牛肉赤身肉、豚肉赤身肉など。
食べ物の大きさは最初は5mm程度で、赤ちゃんが上手にカミカミゴックンしている様子が見られたら6mm、7mmと徐々に大きくしていくと良いでしょう。
### カミカミ期の赤ちゃんの食事の特徴
カミカミ期になると、離乳食の量が増え、1日3回の食事を摂るようになります。赤ちゃんの舌は左右に動けるようになるため、食べ物を奥の歯茎に持っていき、噛む練習を始めます。この時期は手先も器用になり、手づかみ食べに挑戦することで、「自分で食べる楽しさ」を感じるようにしましょう。
カミカミ期には好みがあることもあります。食べないものを無理にあげず、数日おいて出したり、味付けを変えたりすると、徐々に食べるようになることもあります。また、食欲旺盛な時期でもあるため、いっぱい遊んだ日はお腹がすいて食事が進むこともあります。
### カミカミ期の離乳食を冷凍保存でストックを活用しよう
カミカミ期になると、離乳食の1回の量が増えます。忙しいママにとっては、冷凍保存は便利な方法です。冷凍保存をする際には、以下のポイントに注意しましょう。
– 食材は新鮮なものを選び、しっかり加熱してから冷凍します。
– 保存容器は少し大きめのものを用意し、1週間を目安に使い切るようにしましょう。
### カミカミ期の離乳食を楽しく進める工夫
離乳食を進める上で、月齢に関係なくできる工夫としては、次のようなことが挙げられます。
– 朝は早く起こし、日中は活動的に過ごすことで、空腹感を感じやすくします。
– 食事を無理強いせず、楽しい雰囲気で一緒に食べることで、赤ちゃんの食欲を引き出します。
– 嫌いなものを決めつけず、日を変えたり調理法を変えて出してみることで、食べる意欲を高めることができます。
カミカミ期は、赤ちゃんの成長と共に食材や食事の幅が広がる大切な時期です。楽しく、安全に、赤ちゃんの成長を見守りながら、カミカミ期の離乳食を進めていきましょう。