小児の歯が生え切らない場合の治療法(ディスキング)について
9才頃、乳犬歯は自然に抜けてきます。
生え変わりの時期です。
そんな頃の治療についてお話しします。
乳犬歯と大人の犬歯の大きさは、約1.5倍!
入りきらない場合が多いです。
その場合に適切な処置を行わなければ前方に歯が生えてきて八重歯になってしまいます。
八重歯を防止するために、第一乳臼歯(前から4番目の歯)の一部を削る治療を行います。(ディスキングと言います)
この写真は犬歯が出てきていますが、つっかえているのが分かりますよね。
なかなかご家庭では気づかないと思います。
・生えている途中なのか?
・ひっかかっているのか?
だからこそ、乳歯の生え変わりの5〜10才中学受験が本格的に始まる前には、定期的な生え変わりの見守りをお勧めしています。
この子は、9才女の子。
ひっかかってしまっていることを伝えると、びっくりして
“なんとかして下さい。”
とはっきりと自分の意見を言えるしっかりした子でした。
そこで、“ディスキング”という歯の一部を削る治療を行いました。
乳犬歯の1本奥の歯は、既に生え変わりの準備のために歯の神経は吸収されていました。
なので、削っても痛くありません。(レントゲンで吸収具合も確認しながら行いますよ。)
削る幅と深さは、永久歯の一番大きい部分(最大豊隆部が見えるまでです。)
最大豊隆部の位置が低かったので少し歯肉を触ってしまい出血してしまいましたが、問題ありません。
10分もガーゼを噛めば止まりますよ。
この治療をすると1ヶ月もすればいい位置に犬歯が生えてきます。
永久歯が生えてこない時には、すぐに歯科医院に相談して下さい。
「様子を見ましょう。」と言われるかもしれません。
その場合は、よく理由を聞いて下さいね!
小児歯科と看板に書いてあると少し良いかもしれません。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義