口腔機能発達不全症を治したい!
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
前回のブログで、口腔機能発達不全症について知って頂けたかと思います。
では実際に、歯医者さんでは何をするのでしょうか。
病気の名前が難しいので、治療も難しいことをするのではと思うかもしれません。
ですが実際にすることは、簡単な検査と、日々のトレーニングが中心です。
大事なのは早期発見、早期の専門的介入です。
歯医者さんに相談してもらうハードルを下げてもらえるよう、どんなことをするのか紹介させていただきます。
・病気のチェック
まず、不全症かどうかの検査、診断を行います。
日常生活に関する質問、口を閉じる力、舌の力の測定、かみ合わせや呼吸の状態、歯並びやのどの形態、お顔の写真撮影などを行います。
歯医者さんは痛いことをするイメージがありますが、
ハートフル小児歯科は予防の歯医者さんですので、心配いりません。
・病気への対応の流れ
1、 生活指導
食べ方に関するアドバイス
食べ物の形態に関するアドバイス
正しい口の状態のアドバイス
2、 形態への対応
歯が萌えてこないこと、虫歯の治療、舌小帯付着異常への治療
3、 機能への対応
唇を閉じる訓練
舌の正しい位置の訓練
飲み込みの訓練
たとえばこのような訓練をします。
(引用:舌のトレーニング 大野粛英)
これは舌の正しい位置を覚えてもらうものです。
お猿さんと一緒の動きをしてもらいます。
まず歯医者で、保護者の方もこの動きができるように練習していただきます。
大人の方でも意外と難しかったりします。
ご自宅でトレーニングするため、保護者の方の訓練への理解も必要です。
次回来院時に、歯磨き練習、フッ素塗布と合わせて毎月チェックしていきます。
定期的にお顔の写真も撮影し、変化を見ていきます。
以上が大まかな治療の流れです。
どれも楽しくできるように努めています。日々の習慣が大切なので、お子さんが楽しんでやっていただけるよう、ご褒美なども準備しています。
ぜひ歯医者を使っていただき、一緒にお子さんの口腔機能の正しい発達を見守っていきましょう。
参考
日本歯科医学会 “口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方” 令和2年3月
https://www.jads.jp/basic/pdf/document-200401-3.pdf (令和4年9月6日)