こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、稲田英里子です。

赤ちゃんの成長とともに、離乳食の導入は重要です。保護者の皆さんに向けて、赤ちゃんの離乳食指導についての役立つ情報をご紹介します。以下に、離乳食の始め方や食べ方の目安、スプーンの選び方など、重要なポイントをまとめました。

ゴックン期(離乳食初期56ヶ月頃)

◎離乳食のポイント

離乳食を始める前に、以下のポイントに注意しながら進めていきましょう。

【スタート時期】

1. おとなの食事に興味をもったしぐさをする。

2. 口をもぐもぐさせたり、よだれの量が増えてくる。

3. 離乳食用スプーンを唇にあてても嫌がらない。

【食べ方の目安】

1. 機嫌の良い午前中(できれば決まった時間)に離乳食を試してみましょう。赤ちゃんはまだ元気で、食べ物への興味も高まっています。

2. 赤ちゃんの様子を見ながら、11回から始めてみましょう。最初は1さじずつで十分です。

3. 母乳やミルクは赤ちゃんが欲しがるだけ与えてください。離乳食は、栄養の補完と味覚の発達を促す役割を担っています。

【離乳食用スプーンについて】

離乳食用スプーンはお母さんが赤ちゃんに食べさせてあげるためのもので、まず一番最初に必要になるスプーンです。お子様が自分で食べるためのベビー用スプーンとは異なります。

1. 金属製のスプーンは避けましょう。

なぜかというと赤ちゃんは猫舌なので、高い熱伝導性によって極端な熱さや冷たさを感じると、食事が嫌になる可能性があるためです。

シリコンやプラスチックや木など柔らかい素材のスプーンを選ぶことで、赤ちゃんの口内を傷つける心配を減らすこともできます。

2. ボウル部が浅く、幅が広すぎない形状のスプーンが、食べさせやすいです。

【舌の動かし方】

赤ちゃんの舌は前後にしか動かせません。離乳食では、口に入った食べ物を飲み込む反射が出る位置まで送ることを覚えさせていきましょう。

【食べさせ方のコツ】

1. 下唇をスプーンでチョンチョンとつついてみましょう。口を開けない場合は、下あごをやさしく押してあげましょう。

2. スプーンを水平に引き抜いて与えしょう。赤ちゃんが食べ物を舌で押し出してきても、慌てずにスプーンで受け止めて再度入れてあげましょう。

【やってはいけないこと】

1. 口の奥までスプーンを入れないようにしましょう。赤ちゃんの咽喉(のど)を刺激してしまう可能性があります。

2. スプーンを赤ちゃんの上唇に押し付けないでください。赤ちゃんが自分のペースで食べることを尊重しましょう。

【調理ポイント】

離乳食の調理においては、以下のポイントに留意しましょう。

1. 食材をトロトロのポタージュ状に調理しましょう。赤ちゃんの口内で柔らかくなるように、滑らかな食べ物にすることが重要です。

2. 素材の味を生かした調理を心掛けましょう。初めのうちは味付けは必要ありません。代わりに、昆布や野菜からとった出汁を使うことで、栄養価を高めることができます。

3. 離乳食の温度は人肌程度に調整しましょう。赤ちゃんが食べやすい温かさです。母乳やミルクと同じく、離乳食も人肌に冷まして与えましょう。

【離乳食の始め方】

離乳食の導入は段階的に行いましょう。

1. 最初は10倍がゆのペーストから始めます。少量から始め、徐々に量を増やしていきましょう。

2. 一週間程度経過し、赤ちゃんが慣れてきたら、芋や野菜、果物などのバラエティを増やしていきましょう。

3. 34週間経過したら、豆腐や白身魚などの食材も導入していきましょう。これらの食材によって、赤ちゃんの食事のバリエーションが広がります。

4. 開始後1ヶ月くらいしたら、12回に進めても大丈夫です。ぽってりしたヨーグルト状へと水分量を減らしていきます。

これらのポイントに留意しながら、赤ちゃんの離乳食を始めてみてください。赤ちゃんの成長と健康をサポートするために、バランスの取れた食事を提供することが大切です。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科