生え変わりの見守りの最後
前回は小児の歯が生えきれない場合の治療法“ディスキング”についてお話をしました。
犬歯が生えてきたら、1本奥の乳歯を削る。
第一小臼歯が生えてきたら第二小臼歯を削る。
順番に奥に奥に送るように生え変わりを見守っていきます。
最後はどうなるの?
第一永久歯は、6才に生えてくると言われています。
それは削らずに、第二乳臼歯を削っている跡が見られます。(黒線)
そのおかげで、犬歯・第一小臼歯まではキレイに生えてきました。GOOD!
第二乳臼歯は、時期がきたら抜く事で生えるスペースが確保できるのです。
えっ??なんで?と思うかもしれません。
第二乳臼歯よりも第二小臼歯の方が小さいので抜歯すると乳臼歯の下に小臼歯の全体が見えてきています。
もう、何もしなくても自然にいい位置に生えてくるというわけです。
乳歯よりも大きい永久歯が当たり前ですが、第二乳臼歯だけは乳歯の方が大きいんです。
そんな事普通の学校では習いませんよね。
個人の成長差も様々、その中で判断が必要になります。
私達歯科医師の目が必要とされます。
私達歯科医師の見守りは、9〜10才までを希望しています。
それは、第二小臼歯の生え変わりを見守りたいからです。
そのあとは、中学受験と思春期に入ります。
なかなか言う事を聞いてくれなくなります。
正しい歯磨き習慣の獲得と、第二小臼歯の生え変わりまで見届けさせてもらえたら充分だと思います。
その次に歯が生えるのは、12才頃。
一番奥なので、見た目も気になりませんしスペースの問題はありません。
気になる方は、矯正をお勧めします。
ですから、「見守り」の最終ステージは、第二小臼歯の生え変わりなんです。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義