小さい銀歯を応用したブリッジは、噛む力に負けてセメントが弱くなり隙間から食渣とむし歯菌が入り込み、むし歯ができてしまいます。

痛みはないですが、気づかぬ間にヒタヒタと進行していき、明らかに神経近くまでむし歯が進んでいます。

麻酔をしてしっかりとむし歯部分を取り除けば、神経除去の必要がなくなる場合があります。

虫歯を取り除くと、赤い点が見えてきました。

残念ながら「露髄」という神経が露出した状態になってしまっています。

ラバーダム下で治療は行いますが、露出した神経には後がありません。

神経を抜くか、一部をカットして保存するかです。

今回は、事前に相談しあっていたのでVPT(神経保存療法)で対応しました。

この一本の歯の神経を守ることをお話しします。

「むし歯が大きいですね。神経を取りましょう！」それは、危険な言葉です。

痛みがない状態から、神経を抜くなんてよっぽどの理由です。

「やめてください！」と一言確認するのもありだと思います。

痛みがある場合は、逆に仕方ないと思って欲しいです。

神経は、あった方が良いに決まっています。

神経がなくなると、6〜10倍抜歯になる確率が上がります。

よく注意しましょう。

神経を守るのは、私たち歯科医師の使命です。

全ては患者さんの笑顔のために・・・


下田孝義