正中過剰歯の抜歯の診断
前歯が生えてきて、隙間が開いています。
1.真ん中に1本歯が多い可能性(正中過剰歯)
2.上唇小帯が高位付着
3.犬歯が生えてくる時に改善する場合
原因は、主に3種類あります。
今回は、「正中過剰歯」について検討してみたいと思います。
まず、レントゲンを撮ります。
そして、過剰歯が本当に過剰なのか位置が少しづれているだけかを何度も確認します。
最後は、保護者の方とも確認します。
確認プロセスはレントゲンになります。
・緑丸は、大人の前歯が左右セットある
・黄色丸、赤丸、青丸は、乳歯と後続永久歯のセットを確認します。
これが最重要です。
過剰歯なのか、位置異常歯なのか?
今回は、明らかに1本多かったので過剰歯でした。
そこで、抜歯の話をしました。
さて、その次にどこに生えてるかを確認します。
大人の前歯の根尖との関係をみます。
抜歯時に、 頬側と舌側とどちらからアプローチするのか、それも大切です。
ここまで来るとCTじゃないと診断しにくくなります。
開業医で処置できるレベルかをしっかり診断した上で、舌側の過剰歯を抜歯しました。
小さい可愛い歯ですね。
抜歯後の写真になります。
抜歯すると、血が出てきます。
それを止めないといけません。
抜歯窩は、切歯管という出血ポイントに近接していたのでやや多め。
縫合で抜歯窩を閉鎖して止血します。
この辺りの口蓋粘膜は厚く、縫いしろがないのが特徴です。
唇側の歯肉を使って縫合がポイントです。
過剰歯は、お子さんの症例が多いものです。
泣いている場合は血圧が上がっていることもあります。
落ち着かせながら、しっかり縫合し抜歯窩を閉鎖して下さい。
最後は、ガーゼを噛んで圧迫止血をします。
帰宅時には、唇が麻酔で麻痺している間に噛むこともあるので2時間程度様子を見てあげてください。
「ガーゼは30分噛む、2時間くらいして麻酔の切れ際に痛みの出ることもあります。」と注意事項を話します。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義