マイクロ下の診断より 歯肉が痛くて腫れたのは、なぜ?
1週間前に歯肉炎の急性症状で来院された患者さんの話です。
本日、2回目の来院。
何で腫れたのかな?
腫れも引いたので、マイクロで見てみよう!割れているかもしれませんね?と話し始めました。
古い銀歯や昔のセラミックは、硬すぎるので結構な確率で破折歯に見舞われます。
破折線は、マイクロを見ながら針先で探すとカチカチと段差として指先に感じます。
その後、その周辺の歯肉を押し下げるとくっきりと破折線が現れるものです。
レントゲンには、むし歯も破折も見られません。
針先は、なんか柔らかく、するっと水平方向に入っていきます。
むし歯の感覚です。
歯肉を押し下げ、じっとマイクロを覗き込む。むむっ!「黒い」むし歯がありました。
画像を見せながら説明を加え、同意の下セラミックを外しました。
セラミックの下には、金の心棒がありました。
最近見ないので少しびっくり。もちろん心の叫び!!
黒い線は、はっきりと見えてきます。
もう、「完全なむし歯」ですね!
その後、金の心棒も除去。むし歯の進行を調べました。
むし歯がありますね。
歯と歯の境目は、不潔域と言います。
むし歯の発部位なんです。
セラミックと歯の間の接着剤が弱り、そこに細菌が取りついてむし歯ができました。
すでに神経がないので、痛みを伴いません。
外れるまで気づかれなかったかもしれません。
マイクロ下で診断をすると、痛みの原因が分かりますね!
肉眼では、気づかないかもしれません。
今回は、破折がなかったので根管治療後に被せ物をもう一度被せる予定です。
歯を救うために、マイククロスコープは今日も活動中!
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義