親知らずは、18才くらい生えてくる。横に向いて生えていて、一生出てこない親知らずも多い。

すこし生えていると、汚れが溜まりやすく、親知らずの周囲炎を起こしやすい。また、その汚れは、手前の歯(第二大臼歯)にむし歯を作り、歯周病を進行させる原因になる。
また、30才前後になると、前歯のガタガタを増悪する因子として作用もする。

百害あって一利なし

に近いと思います。
もちろん、歯の冷凍保存して、他の部位に移植したら、歯髄を培養して何かに使ったりできる可能性もあります。
僕も「歯牙バンク」に一本保存した記憶がある。
つかわれることなく、15年が過ぎて処分された事だろう。

移植に関しては、受け入れ先の骨側の環境にも依存するので適応範囲は、狭い感がある。(可能性は、ゼロではない。)

歯を失うとインプラントで、回復も可能です。親知らずの移植の選択肢は、そこまで期待しない方が良いと平均的には思っています。
注意:まっすぐに生えている歯でなければ、移植には向きません。

親知らずを抜くことになったら!

「痛みなく抜いて欲しい!」これが、希望!

そんな方には、是非 覚えておいて欲しい言葉があります。
「下顎孔伝達麻酔」

下顎の抜歯の際に使うテクニックです。
歯科医院で親知らずを抜歯すると言われた時には、

「下顎孔伝達麻酔をしてもらえますか?」
と聞いて下さい。

喉の奥の方にある、神経の中心点に麻酔をかけます。抜歯側の半分の下顎が、痺れて麻酔が効く方法です。

下顎孔伝達麻酔をすると、ほとんど痛みがありません。圧迫感や音、振動はあります。

痛みがないのでしっかり口が開けてもらえます。
口が開くと、よく見える。器具が広く使えます。
結果、素早く抜歯が可能となります。

ハートフル歯科では、勤務すると初めに麻酔のイロハを習います。「浸潤麻酔」、「伝達麻酔」、「歯根膜麻酔」です。解剖学的な知識を含めて使い分けることで痛みなく治療を行うことを目指しています。

「抜歯が好き」「歯を抜くのがうまい」というと、歯を抜きたがる先生というイメージになります。
必要な時に、痛みのない治療が出来る。
歯科麻酔のテクニックを持つ先生という、イメージを持ってもらいたい。と思っています。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科