親知らずの抜歯の予約を60分で行う歯科医院が多い。
親知らずの抜歯は、大学病院に送る歯科医院が多い。

それは、親知らずの抜歯が、難しいからと言える。
口腔外科のスキルは、大学の卒後教育となる。
勤務医時代にしっかり基礎を身につけていないとやらない、時間がかかるということになる。

歯医者さんにも得意、不得意がある。
中学の先生だからといって、体育と英語の先生は、別物であるとみんな知っている。

それと同じである。

数学の先生に、美術の話をしても難しいのである。

親知らずを素早く抜くテクニック

横になっている親知らずを抜く時は、分割して細かくして歯を抜くのが基本テクニックとなる。
まっすぐにはえている歯と比較して、物理的に埋まっているので出てくるはずもない。
効率的に分割する事が抜歯を効率的に抜く方法と言える。

下記の写真の部位の分割のコツは、以前記載した。

麻痺を起こさない、親知らずの抜歯のテクニック その1

1番目は、この場所をカットする。

2番目は、輪切りになった親知らずの断面で解説しよう。歯の断面を見ると丸くなっている。その青い線に沿って骨に切れ目(カット)を入れると上方向に歯が取り出せるのが分かる。この分割は、教科書であまり見ない部分だ。

壺の中に手を入れて、グーにしたままだと手が抜けないことはよくわかる例えだ。年末の商店街で昔みた、100円つかみ取りに例えても良い。
歯を少し細くすると真上に出てくる余裕が生まれる。

多くの歯は、ここを削ると出てくるものである。

それでも出てこない歯がある。
その場合は、3本目のカットをする。
黄色い線の所です。

レントゲンで、あらかじめ根が、二又になっている事は、見ておく必要がある。

二又になっている場合は、事前に3番目のカットまで予定しておく必要がある。
このカットをする時には、

器具を入れる角度を変える必要がある。普段使わない口に対して、横向きにして使用する。この動きも教科書であまり見かけない使い方かもしれません。

この写真の向きが普通のドリルの入れる方向です。むし歯治療のほとんどがこの方向からアプローチします。

3番目のカットは、この角度でドリルの器具を入れていきます。

3番目のカットが入ると、二又の根も上下にそれぞれ分割される抜歯されていきます。

ハートフル歯科では、親知らずの抜歯は、ほぼ30分の予約枠で終わる。その秘訣は、この分割にあるといっても過言ではない。

術前のレントゲンの診断、5倍速コントラの入れる角度、器具についてのブログも必要となりそうだ。
順番に投稿していきます。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科