ジルコニアクラウンの進化とチェアサイド歯科技工士の存在について
セラミック製の歯は、白くて審美的と言われ昔から愛されていました。
しかし、セラミックは白いからもろいため強度の問題で破損がつきものでした。
現在は、ジルコニアという白い金属が現れて、審美的に優れた白く硬い材料が歯科治療においても多岐にわたり使われるようになってきました!
初期のジルコニアは、白過ぎてそのままの色では口腔内で使うのに耐えられない色味で、白衣のような白さは不自然な色味でした。
また、旧世代のジルコニアでは、ブリッジのフレームなどに使用されていたフレーム用の白い素材に、白黄色の歯色を盛り付けて使っていました。
その表面のセラミックも破損したりして悩みは尽きないものでした。
新世代のジルコニアでは、色が増えました。(硬さについては、今回は、割愛します。)
今は、上から
・グラデーションタイプ
・黄色タイプ
・白色タイプ
もちろんもっと色々な白さもあります。
白いのが得意な素材ですから。
全体的に黄色く見えているかもしれませんが、人間の歯はわりと黄色いものなのです。(だから、ホワイトニングという治療も存在します。)
口腔内に試適した様子です。
・グラデーションタイプ
グラデーションタイプは、先端の白さも付け根の黄色さも表現できています。
。
・黄色タイプ
先端が、黄色過ぎます。
・白タイプ
これだと、全体が白過ぎます
ハートフル歯科医院では、パソコンを使って、デジタル専門歯科技工士が人工歯を使っています。
全く同じデータで、色違いの歯を作る事も可能です。
色に困った時には、このように複数のジルコニアを作製して色合わせに対応しています。
今回は、3色も作る特殊な事情がありましたので、写真を撮らせてもらい、良い機会でした。
結果喜んでもらえて、僕らも嬉しかったです。
-チェアサイド歯科技工士とは、-
普段は製作前に、色見本と隣の歯の色を重ねて写真を撮影して色合わせをしています。
歯科技工士のお仕事です。
作り手が実際を見て判断する。
僕ら歯科医師からのまた聞きでは作らない。
白い歯にも実は微妙や色の違いがあるからです。
また、室内の光も影響します。
実際に色を見た人が作るのが1番正確です。
ドイツではマイスター制度があり、歯科技工士が独立したオフィスを持ち、患者さんがそこに行って色や形の希望を聞いてオーダーで作ってくれます。
ハートフル歯科医院では、常駐する歯科技工士がドイツのマイスター制度に学び、10年前から「チェアサイド歯科技工士」という名前で患者さんに向き合い、寄り添う歯科技工物を作っています。
全ては、患者さんとスタッフの笑顔の為に・・・
下田孝義