「銀歯は咬合力を受けて、ナタのように歯を切断する機能も持ちます!」

なにやら戦慄なメッセージから始まる今回のブログは、銀歯治療の問題点を深掘りしたいと思います。

写真の銀歯は、ごく一般的な銀歯で痛みもない歯です。

しかし、よく見ると黒い筋が入っていて、ヒビであることがわかります。

小児歯科に通う小学生の歯にはこういうヒビはありません。

いつ入ったのでしょうか。

この方は、水色の方向に歯ぎしりをしてすり減っています。

金属の境目の歯質も欠けていました。

ギリギリと毎晩歯ぎしり、食いしばりをしていたはずです。

その力に負けて歯にヒビが入ってきたのです。

将来的にヒビの箇所から感染して神経治療になる前に、破折の進行を抑制するセラミック治療をオススメしました。

水色の方向に歯ぎしりをしたら、緑のラインの歯質が水色の方向に持っていかれます。

その力で歯質と金属の間の接着剤は、負けて隙間が発生します。

10年以上前に入れた銀歯と歯質と接着材が劣化したという要素もあります。

結果的に銀歯の下を中心に歯質は、引き裂かれてヒビが発生したのではないかと考えます。

銀歯と歯質の隙間からむし歯が入り込み、銀歯の真下がむし歯で真っ黒になってしまっています。

その場合は神経に近い穴があいてしまうので、イミディエートデンチンシールとして濃いめのプラスチックで神経保護と、黒く染まった歯質の色を素材をすぐに充填します。

黒い歯質は見えなくなっています。

破折線をまたぐように、セラミックと歯質の接着面積を確保する形に削ります。

歯の表面を消毒した後に、セラミックを装着します。

再むし歯の予防と破折予防の為、歯質とセラミックをしっかり接着させました。

その後に噛み合わせのコントロールを考えて調整をします。

患者さん固有の噛み合わせ、かつ年齢に応じて減ってきている噛み合わせに対応し、リバランスをかけていきます。

噛む力を歯列全体で受けるような噛み合わせへ誘導します。

最終的には、このような形に仕上げました。

接着と咬合調整でヒビの進行抑制して、歯の神経を守っていきます。

「銀歯治療×時間→減る変化に順応しない 」という、大原則に忠実に対応していくつもりです。

全ては、患者さんとメンバーの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科