外傷歯を救う!(神経保存療法) 破折歯を救う!
転倒で前歯を折ってしまった方が来院しました。
転倒後、すぐに近隣の歯科医院で破片を接着してもらったそうです。
その後、神経治療になると言われネットで検索。
神経保存を期待されて、ハートフル歯科医院に辿り着いたそうです。
よく見ると、前歯に横線、接着した後がありますね。
レントゲンを見るとはっきりと歯牙の中央で割れています。
神経が切断されていそうですね。
初診時に電気的歯髄診断を行い、神経が生きていることが分かったので、
MTA覆髄治療(歯髄保存治療)歯の神経を保存する治療の説明をし、次回来院時に行う事としました。
数日後に来院。
麻酔をして、破折状態を確認する前に、大体の差し歯の形に削ろうとしたら、接着部が取れてしまい、破折を確認することとなりました。
唾液に触れないように慌ててラバーダムを装着。
このように個別に包装された滅菌バーを用意して、歯髄保存治療に切り替えました。
歯髄保存治療とは、神経の一部を滅菌されたバーで削合、切断してその断面に“MTA”という、特殊な接着剤で塞ぐという方法です。
露出した神経は、感染のリスクがあるので切断除去し残りの神経を保存する方法です。
断面にMTAセメントを塗布したところです。
その後、コンポジットレジン(プラスチック)で封鎖。
中側のMTAセメントは、外周のプラスチックに囲まれた封鎖、
再感染しない環境を作ります。24時間かけて硬化します。
そこまでいったら、被せものように歯の形を整えます。
仮歯を作り、装着しました。
見た目的には、まぁ、まぁですか。
ないよりは・・・
最後にレントゲンを撮影!
赤丸で囲まれた白い層が写っています。
これがMTAです。
痛みが出なければ次回、本歯の作成・装着となります。
初診時を含めて3回で外傷歯の歯髄保存治療は終わります。
その後は、歯髄診断をしながら経過を追っていきます。
メインテナンスでは、むし歯や歯周病予防に大切ですが、こういった差し歯をした歯の予後の観察。
定期的なレントゲンでのチェックなど必要とされます。
歯髄保存治療で自分の歯を神経を守り、自分の歯で食事をすることを諦めない!
そういった方へ、MTAセメントは、朗報をもたらします。
全ては、患者さんの笑顔の為に・・・
理事長
下田孝義