神経を保存する(MTA治療)
痛みのない大きな虫歯!
それは、「神経保護しながら治療が可能な状態です!」
「ゆっくりむし歯が進み、むし歯は大きいけれども痛くない歯」
それは、MTAによる神経保存療法の適応です。
むし歯が大きく、大きな歯髄腔の神経は感染リスクがあったので除去して歯根部の神経保存に努めました。
むし歯が大きい時は、治療前に神経除去の可能性があること、可能なら神経を保存して欲しいかの意思を確認します。
神経除去なら歯は死んでしまいますが、神経保存療法なら、何割かの神経を生かすことが可能です(=神経は、生きています)
わざと神経除去はしませんが、可能なら神経は残した方が良いと思います。
とお伝えました。
神経保存療法は、自費治療になる為に事前に説明が必要です。
まずは、虫歯除去後、歯髄腔内の感染の可能性のある神経を滅菌バーで削除します!おっと。
ラバーダムもお忘れなく。
歯髄に唾液が触れると、感染しちゃいますよ!
歯根の付け根、根管口と言います。
そこまで切断した後出血を抑える為に、滅菌綿球で圧迫します。
グーッと5分待つ。その間に、MTAセメントを滅菌精製水で練ってもらいます。
止血確認後にMTAを3根管口に充填しました。
そのあと、水硬性セメントとプラスチックで、二重封鎖をします。
MTAセメントは、24時間かけて硬化するので封鎖が重要です。
注意:硬化前に唾液に触れてはいけません!
術後のレントゲンです。
むし歯の大きさによって、残せる神経の体積が異なります。
今回は、歯根部の神経を保存しました。
症例によって、残せる神経の体積は異なります。
半分でも神経が残れば、「しみる、痛い」などの感覚が残ります。
その感覚があることで、歯は1本ずつ、むし歯や無理な咬合などトラブルを教えてくれます。
デジタル化が叫ばれますが、アナログな神経保存療法は、20世紀になって、大きな進化だと思っています。^_^
全ては、患者さんの笑顔の為に・・・
下田孝義