歯牙破折の歯をスーパーボンドで補修しながら、芯棒を作る「接着・築造一回法」で歯の接着治療を行いました。
歯科用麻酔で出血や滲出液をコントロールして、極力乾燥状態を作りながら、象牙質を表面処理し、スーパーボンドを流します。スーパーボンドの硬化前にプラスチックとグラスファイバーの芯を入れ、光硬化させます。その日のうちに「噛む」=機能させることも可能です。

これは、口腔内接着法と言われています。

黄緑のマルの中に白いラインを見えると思います。そこが破折線です。
根の先端に向かって真っ直ぐに破折しています。180度反対側には、線がありません。そう、この歯は、真っ二つになっていないのです。
だから、口腔内接着を選択しました。
注意:口腔外接着法もあります。

スーパーボンドと白いプラスチックが、絡み合い硬化し芯棒の完成です。

この歯は、後ろ二本の歯を絡めて、「三本の矢」のように連結することで噛み合わせに耐えらるような設計としました。

接着治療をする前は、噛むと痛いとおっしゃっていましたが、治療翌日には、噛めるようになったと喜びの声を頂きました。

いつまで使えるか分かりませんが、限界まで使っていきたいと思います。
大切にしたい、日本人の「もったいない」の心

全ては、患者さんの笑顔の為に・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科