破折歯の治療にも色々ある。
今日は、破折歯の口腔内修復法として、外科的口腔内接着治療について説明する。

この方は、「噛むと痛い」、マイクロで破折線を見つけた。歯周基本検査の結果で、骨吸収は、少ないと判断して、そこで冠をそのままに破折線だけを消す、接着修復法を選択した。

適応症は、少ない。

この歯の破折線に沿って、1番細いドリルで傷を入れる。
汚染歯質を削り取るのだ!
新しく出てきた、新鮮象牙質に乾燥状態をつくり、表面処理をして、スーパーボンドを流し込む。感染歯質を除去し、隙間をスーパーボンドで修復する。

口腔内の細菌が破折線に沿って歯肉の内面に入ってこようとする。それが膿みの元となる。その侵入ルートを閉鎖するのだ!

侵入ルートを閉鎖して!感染部位を掻破して、感染部位をキレイにすれば自然治癒してくるというアンバイだ!

破折線が広範囲に至ると、乾燥状態が作らずに、スーパーボンドが新鮮歯質と接着せずに予後不良となる。

適応症を選ばないと難しい術式といえるだろう。

何にしても、見てみないと分からない。
それが接着治療ということです。

なんでもかんでも治せるわけではない。

レントゲン、CT、マイクロ、時にクラウンを外し、適応症かどうかを慎重に判断する必要がある。
安易に行うと予後は、期待できない。
それが接着治療です。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科