痛みのある小臼歯への咬合調整
第一小臼歯が痛いと訴える再初診の方が来ました。
叩くと明らかに旧式のセラミックが入っている赤丸の小臼歯が痛いと訴えます。
少し当たりが強いので少しだけセラミックの歯を削ってみます。(咬合調整)
すると、頬側咬頭内斜面に擦り跡がついてきました。
違う場所に跡がついてきました。
横から見ると、あれ?
犬歯が当たっていない。
上下の犬歯がすり減っているのに、当たらない噛み合わせになっている。
「ダメダメ!」
そこで、もう少し赤いところを咬合調整してみました。
すると、赤丸の上下の犬歯が当たり始めました。
黄色丸の所も少し当たっています。
でも、さっきより良い感じ!
何度か微調整で削り、真っ直ぐ噛む時と横滑りで噛む時で赤・青で噛み跡を見ます。
小臼歯、大臼歯の基本は真っ直ぐ噛む時は噛み、横に滑らせる時は噛まないのが理想です。
もちろん、噛み合わせ全体でバランスを取るので年齢や噛み癖も加味します。
噛み跡はこのように変わりました。
黄色丸は横方向の動きでは赤マークはなくなり、青マークが点状につきます。
いい感じですね!
最終的には、上下の犬歯の噛み跡がしっかり重なり、横滑り時に犬歯以外は、当たらなくなりました。
理想的ですね!
今回痛みの出ていた歯はうちでいれたものではなく、10年以上前に他医院で入れたものです。
(ハートフル歯科医院では、10年以上前にメタルボンドと言われる陶材焼き付け冠の取り扱いは辞めています。)
初めから噛み合わせが悪かったのか?
10年以上前に入れたものなので、前後左右の天然歯が減って、メタルボンドが硬過ぎて残ったんだと思います。
残る=高さが高く歯の形態的に山が残ってしまう。
ということになります。
天然歯と昔のセラミックは、色を似せています。
ハートフル歯科医院で取り扱う今のセラミックは、色だけでなく硬さも近似しています。
セラミックと言っても、材質によって時間を経て周囲に問題を発生させるものもあります。
時代共に素材も進化しています。
「セラミックって、どんな素材ですか?」
“メタルボンド→オールセラミック・ジルコニア”に時代が進んでいるとヒントを書いておきます。
噛み合わせの問題は、今調整する部分と何年かして問題が発生する可能性の2種類があります。
30年後の笑顔のお手伝いを診療の柱にしているので、ハートフル歯科医院では、エイジング[加齢]についても良い意味で受け入れていきたいと思っています。
全ては、患者さんの笑顔の為に・・・
下田孝義