手術

Q 1. インプラント埋入手術とは?
A
歯科用麻酔をして、歯肉を切開し、剥離します。そのあと、ドリルで骨に穴を開けて、インプラント(ボルト)を埋め込みます。 切開した歯肉を縫合して、手術は、終了します。翌日、腫れや痛み、出血など確認のために消毒に来院し、一週間後に糸抜きをします。
Q 2. インプラント手術時間を教えてください。
A
手術時間は、30分から1時間です。 術前の口腔内清掃、レントゲン、止血など含めて、2時間程度お時間をいただいています。 手術当日は、自宅に戻ってから安静に過ごすことをオススメします。手術後の痛みは、麻酔の切れた頃、2-3時間後に起こります。痛み止めのお薬は、手術後すぐに服用することをオススメします。インプラント手術は、歯肉を切ったり、骨を削ったり、歯肉を縫合したりします。歯肉や骨にダメージを与えることにより2−3日痛みを感じたり、1週間から10日ほど腫れる可能性がございます。

手術当日の運動や飲酒については、腫れや痛み、出血など増悪因子となるので手術当日は、控えていただくようお願いしています。それらを踏まえて、当日は、入浴を控えシャワーを浴びる程度で早めに休まれる方が良いでしょう 。
Q 3. インプラントの治療は、痛いですか?
A
インプラントの治療は、基本的に歯科麻酔をしっかりと行います。普通のむし歯治療と同じ麻酔薬を使用します。 痛みや腫れなどない状態の部位に麻酔(注射)をします。その場合は、麻酔は効きやすいです。逆に痛みや腫れがある歯牙や歯肉には、酸性のため麻酔効果が出にくいものです。痛みの強い歯の神経治療や腫れている親知らずなどは、麻酔が効きにくいので想像してみてください。 インプラントは、痛みや腫れなど急性症状のない時に行います。麻酔が効きやすいとお考えください。 抜歯即時埋入(その日に抜歯してインプラントを入れる手術方法)術前には、術前投薬を行います。手術1週間前からお薬を飲んでもらい、炎症を抑えておきます。 インプラント治療の麻酔の基本は、歯や歯肉に痛みや腫れのない状態で行うこと。術野に麻酔薬をやや多めに注射して、注射後に最低5分程度は、待ってから始めます。 実際には、インプラント手術の前には、当日クリーニング、レントゲン確認、血圧チェックと同時に麻酔の注射を行います。その後、ドレープ(患者さんのお顔にかける手術用布)をして、手術用のガウンを着て、手術用の滅菌グローブを装着する。実際に切開をする前に麻酔が効いているか確認します。その麻酔が効いているか、痛みがないかを確認する際にも麻酔薬を注入しながら行っています。手術前に万全に麻酔を追加した状態で行います。
Q 4. セデーション(静脈内鎮静法=点滴麻酔)について
A
セデーションをする場合は、麻酔科の先生が点滴をした後に眠り薬を入れてから、注射麻酔を行っています。眠り薬には、健忘効果(術中の記憶を消す効果)があり、ほぼ意識のない状態で、手術を行います。眠て起きたら手術が終わっていたという状態を作り出します。セデーションをしながらの手術では、痛みと手術中の不安、血圧、呼吸、心電図など安定的に保つように麻酔科の先生が、お手伝いをしてくれます。 高齢の方や有病者の方、痛みや手術に不安な方、手術時間がかかり、大きな骨造成が必要な症例の場合には、積極的にセデーション下でインプラント手術を行っています。また、必ず再生療法を併用します。人工骨に骨の成長因子を混ぜることで骨の成熟(硬化)を早めます。ご自身の血液を採血して、遠心分離をして骨の成長因子(フィブリン)を抽出する再生療法をする場合は、手術中に麻酔科の先生に採血や遠心分離などを同時並行で行ってもらいます。ご自身の血液由来の成長因子なので未知の病原体も含めて不安な要素はありません。純粋に骨の再生を手伝ってくれます。また、この再生療法は、厚労省認定機関として認可をもらっています。
Q 5. インプラント手術は、入院ですか?
A
インプラント手術は、歯を抜く時と同じように局所麻酔下で行われます。入院の必要もありませんので、手術後も少し休めば、すぐに帰宅できます。 注意点としては、長時間座っていても苦しくない、首元がリラックスできるような服装でご案内してます。 腫れや痛みは、個人差があります。 全く痛みや腫れがない方や腫れが出る方と様々です。腫れそうな場合は、強めの腫れ止めの薬と腫れ止めのテープでお顔を抑えたりします。腫れや痛みは、1週間から10日程で治ることが一般的です。
Q 6. インプラント手術で事故などは、起きますか。
A
インプラント手術の安全性は、歯科医師の治療技術とCTなどの画像診断力が大きく関係します。 上下の顎の中には、多くの血管・神経が走っています。それを傷つけると麻痺や出血などが起こってしまいます。そのような事態を避けるために、CTによる画像診断、フルデジタルインプラント治療が重要視されています。 実際には、骨が薄かったり、厚みが少ないなどインプラントがそのままの骨の状態では、治療困難な場合もあります。 また、熟達した歯科医師であったとしても、その患者さんの骨質や既往歴や術後感染など予期しない要因で、インプラントが骨と定着しないこともあります。その場合でも、インプラントを埋め込む向きを変えたり、インプラントの太さを変える、造骨手術を追加する、再手術も含めてリカバリーが可能です。

熟達の技は、予定外の出来事が起こった時こそ必要とされます。熟達の技術の中では、予想外の事態も想定内となるのです。難症例の手術を行う場合は、術前にCTシュミレーションだけでなくぺーパーサージェリーをしながら、あらゆるトラブルがあった場合に備えて何パターンかオプションの治療計画を立てて、材料を準備しておきます。インプラントの種類やサイズを変更したり、骨移植を急遽行ったりします。オペを完結することが担当歯科医師の務めだと思っています。 いずれの場合でも自分の歯肉を切開し、骨を削り、手術を受けるわけですから本人にとって不安は、大きいものです。術前にしっかり歯科医師と話、技術力、熟練度、人間性など見極めてください。設備や清潔感などは、見てわかりますが、治療期間が長く、その後のメインテナンスでもお付き合いが続くことを踏まえた人と人とのつながり、歯科医師や歯科医院選びが重要です。
Q 7. サージカルガイドとガイドサージェリーって何ですか?
A
2013年インプラントシュミレーションとインプラント・サージカルガイドが連携して作られるようになました。そして、ガイドを使った手術ができるようになりました。インプラント手術のイノベーション(革新的な技術)が起こりました。CTを見ながら、シュミレーションをする。しかし、実際には、「絵に描いた餅」で、切開して骨を見ながら、現場で手術するのが熟達した歯科医師の技だと言われていました。 シュミレーションしても、その通りになんて出来ない。少なくとも僕もそう信じていました。 しかし、今では、シュミレーションを行い、その埋入部位に正確にドリルすることが可能な時代が来たのです。ガイドがインプラントの手術を支援をしてくれます。2012年に香港で研修会があり、サージカルガイドのコンセプトを聞き、試作品を見て未来のインプラント治療だと確信しました。 コンピューターによるシュミレーション、その結果を反映させるサージカルガイド(ドリルを正確に行う、ライフルのスコープの役割)。その一連の手術様式をガイドサージェリーと呼びます。 滑る血液、硬い骨、前からしか視野はなく、薄暗い口腔内で1mm以下の精度でシュミレーション通りにドリルを動かすことは、困難です。だからこそ、サージカルガイドが必要なのです。 サージカルガイドも半透明のプラスチックを削る時代から、3Dプリンターを使用する時代となり適合精度が上がっています。それによって、口腔内でのがたつきは、大きく減少しました。 また、手術中に口腔内に入れるにあたり、そもそも滅菌できる素材(プラスチック)が登場したことで、感染対策も進みました。昔は、薬液消毒で使い、感染に不安がありました。しかし、デジタル技術が進化して、インプラント手術の進歩に歯科用CTは、大きく貢献し、CAD/CAM、3Dプリンターが応用され、更なるガイドサージェリーは進化しています。 医科でも話題になっている、手術支援ロボット(ダヴィンチ)があります。腹腔鏡手術にイノベーションを起こしています。歯科医療においては、サージカルガイドがインプラント手術を大きく進化させ、安全な手術に寄与してくれています。 2013年以降、ハートフル歯科医院では、全てのインプラント手術でシュミレーションを行い、サージカルガイドを使用したガイドサージェリーを行っています。
Q 8. インプラント手術で失敗することは、ありますか。
A
残念ながらインプラントが、骨と定着しないことはあります。しかし、再手術で多くの方は、定着に至り、しっかり噛むことが可能になります。 うまくいかない原因には、事前には、判断できなかった骨質(柔らかすぎる、硬すぎるなど)や、顎骨内の空洞などがあります。 条件が事前の予想よりも悪かった場合は、インプラントが骨と結合しない場合が出てきます。インプラント治療する場合の約1%にその可能性があります。

また、禁煙指導をしても喫煙を継続する方や糖尿病、骨粗鬆症など数値がギリギリでもやって欲しいという患者さんの希望を叶える形で手術をする場合など、予想通りとはいかない場合もあります。また、歯ぎしりなどで悪くなることもあります。事故という意味で失敗したことは、ありません。
最近、気にしていることは、患者さんの顎の骨の状態や治療費を下げるために、力学的に無理な治療計画を立てないことです。支えになるインプラントの本数が足りない時に、オーバーロード(過大な咬合)がかかってしまい、動揺が起こる場合があります。 ハートフル歯科医院では、30年後も使って欲しいと、長期予知性を重視した治療計画を提案しています。
Q 9. 治療期間は、どれくらいかかりますか。
A
インプラント手術当日は、通常インプラント体(ボルト)を埋入します。しかし、本歯は、すぐに入りません。ボルトは、歯肉の下、骨の中で骨と化学結合するのを待ちます。生コンが固まるまで、触らないのと同じように、骨とインプラントが固まるまで負荷をかけないようにするため、待機期間は歯がない状態でお過ごしいただきます。待機期間は、噛めるような歯を装着できないため、入れ歯や、ブリッジ、接着性の仮歯などを用意します。審美的に、歯がない状態を作らないような提案をしています。ご安心下さい。 インプラント手術をして、噛めるようになるまでには、下顎なら3ヶ月。上顎なら6ヶ月が必要です。その期間に骨とインプラントは、化学結合します。上顎骨は、頭蓋骨と接しているため強度がいらないことと、骨の密度を軽くするためスポンジ状の骨となっています。ネジが効き難い構造です。逆に下顎は、顎関節にぶら下がっています。口を外界から守るために、丈夫に硬くできています。構造が異なるので、治療期間も異なります。 その期間も、手術部位の粘膜の炎症などを確認します。残存歯のむし歯、歯周病予防のために、メインテナンスに通ってもらいながら待ってもらいます。 残った歯の寿命をできる限り伸ばすためにも、ご家庭での歯磨き、フロス、歯間ブラシだけでなく、歯科衛生士さんのプロフェッショナルクリーニングが重要です。お口の状態、清掃状況に合わせた、メインテナンス期間の設定や通院が必要なことをじっくりと話し、長く使えるインプラントとは、どういうものかを理解を深めてもらいます。
Q 10. 骨移植をすると,どうなるのですか。
A
インプラントは、骨がないとどうにもなりません。そこで、骨が薄かったり、高さが足りなかったりする時には、骨移植をします。骨を取って、別の場所に移植する方法には、不安があると思いますが、実際には、どうなのでしょうか。 骨を取った場所には、人工骨やコラーゲンを挿入します。数ヶ月すると、骨は、元の通りに再生してきます。また、移植した部位では、周囲骨と馴染みその場所に定着します。自家骨の量が足りなければ、人工骨を混ぜて挿入して骨造成を図ります。時間はかかりますが、今は骨を増やすことができる治療法として、確立しています。 骨移植時には、粘膜の延長(減張切開)を伴うことが多いです。また、メンブレン(骨誘導膜)を使用します。 複雑な手技を用いて、骨造成は、行われます。裂開して感染するなど非常に技術が必要とされます。また、骨移植、骨造成を伴うインプラント手術では、腫れることが多いです。 非常に技術が必要とされますが、骨移植をすることで、インプラントの適応範囲は、広がります。 インプラントができないと言われた方には、是非『腕に憶えあり』と言う歯科医師を探してみるのは、いかがでしょうか。
Q 11. パンチアウト(2次手術)とは
A
インプラント手術をして、3-6ヶ月後にパンチアウトを行います。2次手術とも呼ばれています。インプラントの埋入手術の際に歯肉は、縫合されて歯肉の下に完全に埋もれてます。歯肉の下で、骨とインプラント体は、化学結合していくのです。その歯肉の下から。小さく切開にしてインプラント埋入手術と比較すると非常に侵襲性は少なく、痛み止めを飲まないで済む方が多い内容です。怖がらなくても大丈夫です。パンチアウト後に型を取り、本歯を作成して歯を入れます。 (前歯では、パンチアウト後に歯肉の治癒を2週間程度待ってから型取りをすることもあります。)
Q 12. 手術後に注意することは、ありますか。
A
インプラント治療では、治療内容、期間、お支払い、術後の腫れや痛みなど詳細を確認してください。(契約書、手術同意書など) その注意事項を守ることで、治療中、治療後も最良の状態を保つことが可能です。 手術当日の注意事項は、必ず守ってください。 手術当日は、多少の痛みや腫れはつきものです。痛みに関して、手術中は、麻酔薬でコントロール。手術後は、鎮痛剤でコントロールしていきます。
痛みの心配がある方は、6時間ごとに痛み止めを飲むなど時間で薬の効果を管理してください。 手術当日は、安静にして、食事も柔らかめの物にしてください。 運動やお酒なども控えるようにしてください。
Q 13. 手術中に痛みは、ありますか。
A
手術中は、痛みが出ないように麻酔をしっかりとかけていきます。 「骨に穴を開けるなんて痛そうだし、怖い」などの声を患者さんからよく聞きます。確かに骨に穴を開けることを想像すると、ものすごく痛みが生じるような気がするのは仕方ありません。実際には、普段の歯科治療以上に麻酔薬の量を使用しています。また、注射した後、手術の準備の時間兼、術前投薬された痛み止めと抗生剤の効果が出るまでに30分かかるために、受付で待ってもらうようにしています。結果的に麻酔効果が十分発揮するのに必要な待ち時間が発生することになります。副産物になりますが、注射麻酔が十分効いてから、手術が始まります。 声を出すような痛みは、ありません。ご安心ください。

しかし、実際のインプラント手術では、多くの方には、セデーション(点滴麻酔)など行わないために、音や振動など感じてしまいます。また、滅菌された布を全身にかけ手術を行うため、音や振動に敏感になるものです。 器具が落ちたり、何気ない術者の会話が気になったりします。手術中に骨を割る場合には、木槌を使うこともあります。その際には、叩かれる音と振動が頭に伝わります。声かけはしますが、びっくりする方がいらっしゃいます。 事前の声かけや直前に「今から叩きます」と配慮をしながら行っています。 しかし、どうしてもそういった手術に関わる不安、ストレスが嫌な方には、点滴麻酔(静脈内鎮静法)をオススメしています。
Q 14. 普通の麻酔と点滴麻酔(静脈内鎮静法)は、どう違いますか?テレビで寝ながら手術ができるというのを見ました。
A
90%の方は、普通の麻酔薬(歯医者さんの注射)で行います。主にむし歯治療をする際に使用します。少し多めに使用することで、手術中に痛みを感じることがないように配慮します。 点滴麻酔は、麻酔科の先生にやってもらいます。心電図、血圧、呼吸などをモニターで管理されながらと手術の直前に眠ってもらい、痛みや記憶も管理してくれます。点滴麻酔をすると、点滴をされる瞬間から手術が終わるまで一気に時間が過ぎていきます。手術に不安のある方には、お勧めします。 手術中の記憶はなくなります。しかし、手術中に話しかけても返事ができる程度に寝ているだけで全身麻酔とは異なります。 当日、帰宅が可能です。 麻酔科の先生の日当と麻酔薬代が別途必要になるのでご注意ください。
Q 15. 手術後には、腫れますか
A
手術後、翌日から翌々日にかけて腫れてくることがあります。腫れ自体は、48時間がピークで抗生剤や腫れ止め剤を服用することで、1週間程度で元に戻ります。2-3日間は、強くうがいをすることは控えてください。唾液に混じって多少の出血があるかもしれませんが、問題はありません。手術部位は、歯ブラシでゴシゴシしないでください。外科専用の歯ブラシやうがい薬などを毎日行うようにしてください。普通の歯ブラシは、1週間後の糸抜きをした後から可能になります。以前は、結構腫れることが多かったです。しかし、3つの点を導入することで手術後の物理的な腫れを予防することが可能になりました。

  1. ・低侵襲性の手術術式に変更
  2. ・腫れ止めの注射と飲み薬の併用
  3. ・お顔に腫れ抑制テープ

歯科医療も日進月歩、開業以来多くの学びと進化があります。このように「腫れない手技、薬剤、抑制テープを合わせることで、従来よりも明らかに腫れないインプラント治療は実現しています。今後も何か、良い手があれば積極的に導入し、腫れない低侵襲性の手術を追求します。
Q 16. 手術後、その日に歯ができますか?
A
前歯など、ないと困ってしまう部位に関しての仮歯のニーズは強いです。その場合には、一回法の手術で当日仮歯可能な術式を考えます。 前歯には、骨の高さや厚みが十分にある場合に限り、スクリュータイプのインプラントを用いて、手術当日にCAD/CAMで撮影して、その日のうちに仮歯を作成します。骨の形態をCT画像上で把握してシュミレーションを行い、その骨内に正確に入れるためのサージカルガイドを3Dプリンターで事前に準備をします。当日は、ガイドに沿ってインプラントを埋入し、CAD/CAMで仮歯を作製します。ミリングマシンでブロックを削り、仮歯は作られます。奥歯でも、骨がしっかりあれば即日仮歯の手術を行います。
Q 17. 手術当日、終わってから仕事に行くことは、可能ですか?
A
多くの場合は、可能です。(推奨はしておりません)
点滴麻酔を選択した方には、やめてもらっています。また、大きな造骨手術の場合も術後に安静にしていないと、腫れがひどくなることがあるので、安静にすることをお勧めしています。手術内容によって決まる為、当日仕事に行かれる方は、ご相談ください。
Q 18. 手術後に感染しないようにするには、どうしたらよいですか。
A
手術直後の感染のために気をつけることは、歯科医師の指示に従って、お薬をキチンと飲むこと。患部を清潔に保つためにうがいをする。安静に過ごす事が最も大切です。歯ブラシで患部を擦らない。タバコをやめる事なども重要です。インプラントの失敗の原因で目立つものは、タバコです。喫煙の弊害で歯肉の治癒が遅くなることが原因です。

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて、唾液の分泌を抑制させます。血液が流れなくなると、創部に運ばれる血液も減少し、酸素不足になります。低栄養状態になってしまいます。創部の治癒が悪くなるのもうなずけます。また、唾液の分泌が悪くなると、唾液の殺菌作用、抗菌作用など低下してしまいます。いずれも創部の治癒には、とても大切な用途となっています。喫煙で血液の流れが悪くなることは、インプラント治療には有害になってしまします。患者さんは、少なくとも術前1ヶ月、術後2か月くらいは禁煙していただかないと、傷口の治癒も遅くなります。ただれた状態が続き痛みも続きます。できればインプラントをすると決めたら、きっぱりと禁煙をしてもらいたいと思います 。