金属と天然歯の噛み合わせの計時的変化について
左上の歯が痛いという患者さんがいました。
なんとなく痛いという。
そこで、噛み合わせを見てみました。
全体的に当たっています。そんなに問題がないか?
次に、指を歯列に沿わせて、カチカチ、グリグリしてみました。
すると、銀歯が顎を動かすたびにゆらゆらと動いています。
そこで、動いている銀歯だけを噛み合わせ調整しました。
反対側下顎の歯を見ると、咬耗がありかなりすり減っています。
天然歯が多いようです。
金属歯の調整をしました。
分かりにくいですが、大臼歯の赤いマーカーがはじめの写真よりも強く色がのっていることが分かります。
以前よりもしっかりと噛めている証拠です。
予想ですが、金属だけが摩耗して減らずに残り、高くなっていたんだと思います。
天然歯は減り、金属歯は減らない。
普遍の法則です。
歯牙は、治療材料によって減りやすく、減らない。となるとバランスは崩れていきます。
均一に減ってもアンバランスになるのですから。
年を重ねていく中で、噛み合わせもリバランスしないといけませんね。
この方は、痛みがなくなり食事に不自由しなくなりました。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義