歯科研修医「CWCTによる垂直加圧根管充填」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
根管治療成功のポイントの1つに、緊密な根管充填が挙げられます。
その根管充填のやり方には、大きく分けて側方加圧充填と垂直加圧充填の2つがあることは大学で習いました。
本日は、ハートフル歯科で行われている、CWCTというテクニックを使った垂直加圧充填について紹介したいと思います。
どんな根管で用いられるかというと、根管の長径が短径の2倍以上の根管が適していると言われています。
下顎大臼歯に3人に1人見られるという樋状根や、上顎の小臼歯などの扁平な根管などですね。
CWCTはContinuous Wave of Condensation Technique の略称です。
根管に適合したガッタパーチャを加熱プラガーで軟化させて行う根尖部の充填(①ダウンパッキング)と、
加熱軟化させたガッタパーチャ材をシリンジ先端から流し込む根幹中央部から根管口部の充填(②バックパッキング)の2つのステップから構成されています。
(引用:エンドドンティクス 永末書店)
① ダウンパッキング(模式図左)
シーラーを塗布したマスターポイントを根管に挿入
スーパーエンドアルファを使い、熱でガッタパーチャを根尖側3-4mmで切断
BLコンデンサーという、ニッケルチタン性のプラガーでガッタパーチャを垂直的に加圧し、アピカルプラグを作る
② バックパッキング(模式図右)
スーパーエンドベータでガッタパーチャを2、3mmの厚みを目安に挿入し、それをまたプラガーで加圧する
バックパッキングは根管口部まで緊密に行います。
以上の2ステップで垂直加圧根管充填が完了です。
実際の症例写真を見てみましょう。
下顎大2大臼歯の根管です。
樋状根を認めましたので、CWCTを行います。
マスターポイントを挿入し、バックパッキングを行います。
その後、左の写真のようにスーパーエンドベータを用いてガッタパーチャを挿入し、右の写真ではプラガーで加圧しています。
最終的には根管口部まで緊密に充填することができました。
研修医でもしっかりマスターして、側方加圧と垂直加圧を使いこなしましょう!