赤ちゃんが生まれたら、歯がもう生えていた 〜先天性歯〜
赤ちゃんが生まれたら、歯がもう生えていた 〜先天性歯〜
こんにちは!ハートフル総合歯科グループの歯科医師、稲田英里子です。
先日、先天性歯のある0歳の女の子が診察を受けにきたので、先天性歯のお話をしたいと思います。
さて、先天性歯とはなんでしょう?
出生時または生後1ヵ月以内(生後2ヶ月以降でも、先天性歯と診断することもあります)に生えてくる歯のことを先天性歯といいます。様々な原因が考えられていますが、明確なことはわかっていません。
先天性歯の特徴と診断方法:
先天性歯の大部分は下顎の乳中切歯(真ん中)部分に生えてくることが多いですが、まれに乳犬歯(八重歯の位置)にもみられます。診断は、生まれつきか、生まれてすぐに歯が生えていることを確認することで行われます。
先天性歯が引き起こす問題と影響:
先天性歯は、母親の乳首を傷つけてしまうことがある他、先天歯周りの歯肉炎を起こしたり、乳児の舌下面や舌小帯に潰瘍(リガ・フェーデ病)を生じさせることがあります。特に授乳に影響を及ぼす場合、治療や介入が必要になることがあります。
先天性歯の取り扱い:
先天性歯が正常に生えていて授乳に影響を与えない場合は、経過観察することが一般的です。しかし、先天性歯の形成が未熟であり、歯根がうまく発達していないため、歯がぐらぐらしていることがあります。このような場合、誤飲のリスクを避けるために抜歯することもあります。また、乳首や自分の口の中を傷つけてしまっている場合は歯を削って丸くしたり、コーティングすることで改善させる事もあります。
先天性歯の注意点:
先天性歯は表面のエナメル質がもろく、虫歯になりやすい傾向があります。そのため、日常の歯のケアや定期的なフッ素塗布、検診が重要です。
今回来た女の子の場合は、先天性歯が少しだけ顔を出しているだけでグラグラしているわけでもなく、先も尖っておらず傷の原因にもなっていなかったため経過観察としました。
もし、これを読んでいるあなたのお子さんが先天性歯が生えているようであれば、一度歯医者さんに行って、検診してもらいましょう。