インプラント保証制度とセラミック歯の破損
インプラントのセラミック歯を装着して、10年近くが経過しました。
インプラント治療を始めて26年、開業して18年目を迎えた。
日々、患者さんから教えてもらうことばかりです。
今回の学びは、やっぱり10年近く経つと、セラミックにもヒビが入るもんだという事です。
①.②もインプラント体の上に骨がのっかっている良い状態の歯です。
①の方にヒビが入ってきました。
契約書の内容も含めて、セラミックは長期では破損すると謳っています。
その場合は、作り替えれば再手術とはならないことが書かれています。
今回は、10年の経過を踏まえて、1番後ろでなく後ろから3番目にヒビが入っています。
レントゲンでセラミックの歯の色を見ると、②はe.max、①はエナミックというセラミックだと思います。
大臼歯は、噛む力も強く硬い素材で、小臼歯は、犬歯が持つ役割を邪魔しないために天然歯便り自然にすり減る材料を使用しています。
若干強度の劣るエナミックが破断しました。
全て硬いものにすると、すり減らないので犬歯よりも強くあたり破折する可能性もあり、小臼歯の場合は、どの材料が良いのか答えはありません。
しかし、言えることは「10年間使えて、インプラント体には、悪影響なく、やり替えれば済む」事だけが事実です。
永遠の歯科治療は、あり得ないので10年もち、簡単な補修で済むのであれば、合格ではないかと結論づけました。
ハートフル歯科医院では、セラミックに5年間の保証制度をもうけています。
今の治療計画でほとんどの人は、5年以上問題なく治療経過を辿っています。
硬すぎるセラミックは、顎の関節に負担となり、インプラント体に悪影響を及ぼします。
今回は破折してしまいましたが、インプラント体に影響なく、顎関節なども良好です。
セラミックを再生することで、無理なく食事ができるようすぐに回復します。
長い目で見て、インプラント手術のやり直しをしないことが、患者さんに取って1番良い結果だと思います。
そこで、セラミックには、無理な力を受けて壊れてくれるのもありだと思っていて、今回のケースもクレーム対応だとは思っていません。
セラミックは、消耗するので一定の期間での作り直しが必要です。
ハートフル歯科医院では、5年間の保証制度を設けて、インプラント体自体には、10年以上使ってもらうことを期待して治療に臨んでいます。
全ては、患者さんの笑顔ために・・・
下田孝義