2%の線収縮の結果
入れ歯を構成しているピンクの部分は、レジンという素材でできています。
そのレジンは、粉と液を混ぜて加熱すると固まる性質を持っている。
先日、新製義歯の装着をした日の出来事です。
装着時に、入れ歯が外れてしまい困りました。
総入れ歯の場合は、粘膜面と入れ歯の適合が全てです。
型取りをして、石膏を注ぎ、その形で入れ歯ができるのですが、なぜか適合が悪いです。
そういう場合は、内面に補修剤を入れて対応します。
ピンクの部分の変形は、織り込み済みだからです。
従来の入れ歯作りでは、その変形する事を想定して、その変形分をどう補償するがが腕の見せ所となる。
そこで、今回はセット時にリベースを行いました。
元々が、1〜2mmなので、その厚さと同じ程度の隙間があったという事ですね。
そんなに隙間があったら、入れ歯の吸着なんて得られるはずもありません。
リベースで隙間を埋めると、ピッタリと吸い付きました。
今後は、デジタル義歯に変っていくと思います。
そのデジタル義歯のピンク部分に変形はありません。
なので、吸着が損なわれる事はないです。
毎回、隙間が出来る入れ歯を調整で噛めるようにするなんて凄腕が要求されます。
そういえば、昭和の木造建築では、機密性が悪く寒いと聞いたことがあります。
今の住宅は、機密性が高く熱が逃げないから、寒くない。
なんて、聞いたことありますが、令和になり、入れ歯の機密性が上がり、外れないなんて言われる日も近いでしょう。
そんな日が待ち遠しいです。
今は、デジタル義歯の夜明け前・・・
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義