5D Imagingシステムは、矯正計画や患者への説明を迅速かつ直感的に行うための統合型システムとしても活用します。

この機能では、CTデータや顔面立体写真、口腔内カメラによる歯列データを組み合わせ、歯や顎の状態を直感的に三次元表示します。

従来のレンダリングでは見づらかった埋伏歯や過剰歯、歯列の微細なガタガタも、5Dではっきりと視認可能です。

このシステムを利用すると、矯正歯科医師は、歯根の面積を考える手作業を減らしながら、正確かつ迅速に矯正治療の計画を立案できます。
さらに、立体画像を用いることで、患者への説明も視覚的に分かりやすく、治療方針の理解や納得度を向上させることが可能です。

システムは、患者ごとの個別情報をCTデータ、口腔内専用カメラデータ、顔面立体写真を統合的解析診断する為に治療方法の比較を通じて、抜歯非抜歯の診断、装置の選択も迅速に行えます。

結果として、診療の効率化と精度向上が同時に実現され、歯科医師は治療計画にかかる時間を短縮しつつ、患者とのコミュニケーションを、円滑に行うことができます。

5D Imagingシステムのこの機能は、単なる矯正治療計画支援にとどまらず、治療成功率の向上と納得度・患者満足度の改善に直結する重要なツールなることでしょう。

さらに現状では難しいようですが

理論上

CTデータからの2D投影から、再構成をかけることで、従来のセファロX線像と同等の平面データをAIで生成可能。顔面立体写真と統合することで、軟組織と骨を重ねたセファロ分析が可能。

AIによる自動ランドマーク認識で、SNA, SNB, ANBなどの角度や歯列関連距離を計算させると、理論上は、既存セファロ分析と同等の診断・治療計画への活用が可能となります。

CTデータは任意の角度でスライスを作れるため、左右非対称や顎偏位の分析も可能。スマイルや顔貌の変化などもAi解析されます。

これは、矯正治療の診断領域における革命となることでしょう。

実際

装置やソフトのバージョンによって、完全自動解析がどこまで正確に行えるかは未確認です。CTデータから作った擬似セファロ像は、従来のX線像と比べると線のシャープネスやアーチファクトの影響が異なることも考えられます。

AIによるランドマーク認識は高精度だが、骨形態の複雑さや欠損部位によって手動補正が必要なケースもでることでしょう。顔面立体写真との統合は可能ですが、セファロ解析ソフトが臨床で正式にセファロ診断対応として学会なども含めて認可されているかは、未知の話です。

しかし、矯正治療の診断領域において、このシステムが大きな変化、進化、発展に寄与することを確信しました。

 

全ては、患者さんの笑顔の為に・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科