11月9日(日)に開催されたバイコンインプラント ベーシックセミナーに参加しました。

会場は品川のビルの一室で、少人数で落ち着いた雰囲気の中で行われました。

講師は、当法人の理事長である下田孝義先生が務められ、司会進行はバイコンジャパンのスタッフの方が担当。

今回のテーマは、バイコンインプラントの基本構造と埋入実習。

他システムと比較しながらのものでした。

特に特徴的なのは、「ショートインプラント」である点と、**bone gain(骨の獲得)**という発想でした。

一般的なインプラントでは、経年的に骨が吸収していく傾向がありますが、バイコンは構造上、骨を“増やしていく”ことが可能です。

その理由として、スクリュー固定ではなく**ロッキングテーパー構造(茶筒のようなフリクションフィット)**を採用しているため、マイクロギャップが生じず感染リスクを抑えられる点が挙げられます。

また、プラットフォームスイッチングにより細菌の波及を防ぎ、スローピングショルダー構造によって骨が形成されやすい環境を作り出しています。

こうした複数の要素が、バイコン独自の「骨の獲得」を支えていることを学びました。

模型実習では、ツイストドリル・ラッチリーマー・デプスゲージによる確認・槌打によるフィクスチャー埋入・サルカスリーマーの使用まで、一連の流れを実際に体験しました。

ツイストドリルの際には軸のコントロールが重要で、その後は骨質に沿ってドリルが自然に誘導されていく感覚がありました。


bicon実習キット


ドリリング前


正しい位置に埋入することができました

 

低速回転のドリリングによる構造的な安全性と、生体との調和を両立していることが、他システムにはない魅力だと感じました。

深めに埋入することで骨の吸収を防ぎ、むしろ骨を増やす──

そんな考え方を実習を通じて体感できた今回のセミナーは、バイコンインプラントの理解を深める貴重な機会となりました。

今後の臨床で応用できるヒントが多く得られた有意義な時間でした

 

遠藤和樹
医療法人社団徹心会ハートフル歯科