夏から半年間歯科医院に通いましたが、痛くて噛めないという初診の方が来院されました。

前の歯科医院では「痛いがこのまま歯を入れて我慢するか?痛いなら抜きましょう。」と言われ、なんとか助けて欲しいと駆け込んで来られました。

まずはどうなっているのかを見せてもらい、ラバーダムを取り付けてマイクロスコープで見ながら古いプラスチックを慎重に除去しました。

すると中に黄色い材料のビタペックスが見えてきました。

それを除去すると白い部分に奇妙な境界線が?現れました。

怪しい雰囲気を感じました。

歯牙の中に出血点があるがそれをプラスチックで封鎖しているのではないか?と考えました。

振動を与えてみると底蓋が浮いてきました。

見えにくいですがそのあと出血が確認できました。

除去後にはレントゲンで、古いプラスチックが除去されているのを確認しました。

初めに撮ったレントゲンの予想通り、痛みの原因はパーフォレーションでした。

マイクロスコープなしでドリルを入れて削り過ぎたのだと思います。

本来の根管は一個しか見当たらず、出血に覆われていました。

チャレンジングな方法になりますが、一旦歯を抜いて根の出血部位を口腔外で閉鎖したのち口腔内に戻す、MTAによる修復再植の提案をしました。

抜歯をする事はいつでも可能です。

歯を残す気概を持ってお話をしました。

治療がうまくいかなくても、その歯は抜いたら痛みは消えます。

治療で残れば噛むことができます。

チャンスがあるうちはやるしかありません!

命までは取られません。

歯を残す事に最大限のエネルギーを注ぎたいと思っています。

 

やっぱり自分の歯が大切です。

「歯を抜くな!」

痛みがある場合まずは、原因の特定が大切です。

マイクロスコープやCTで歯の内外から診断をしてもらいましょう!

全て、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科