こんにちは!ハートフル総合歯科グループの歯科医師、稲田英里子です。

今回もフッ素についてのお話をします。

フッ素(フッ化物)はむし歯予防に効果がある成分であり、市販の歯磨き粉の約9割にも含まれています。ここでは、フッ素入り歯磨き粉の使い方と安全性についてご説明します。

まず、フッ素の配合量は国によって定められており、日本では最大1,500ppmFの製品が販売されています。フッ素の濃度が高ければむし歯の予防効果も高いとされていますが、飲み込みのリスクを考慮し、年齢別に推奨されるフッ素濃度や使用量が異なります。

0歳から2歳までの幼児

フッ素の配合量は1,000ppmFが推奨されています。

1回あたりの使用量は米粒程度で、歯ブラシに12mm程度つけて使用します。歯磨き後にはティッシュなどで歯磨き粉を軽くふき取ることもできます。フッ素は大量(歯磨き粉のチューブの中身を丸飲みした場合)に摂取すると毒性のあるものなので、歯磨き粉は子どもの手の届かない場所に保管しましょう。

〜おすすめの歯磨き粉〜

3歳から5

同じく1,000ppmFの配合量が推奨されていますが、使用量がやや増えます。

グリーンピース程度(5mm)の歯磨き粉を使用しましょう。お子さんが自分で適正量をつけられない場合は、保護者が行うようにしましょう。歯磨き後には、歯磨き粉を軽く吐き出してから少量の水で1回だけうがいをします。

〜おすすめの歯磨き粉〜

6歳以上の高齢者まで

1,500ppmFの配合量が推奨されています。

1回あたりの使用量は1.5cm2cm程度で、歯ブラシ全体につけて歯磨きを行います。歯磨き後のうがいは少量の水で1回のみにとどめることが効果的です。

〜おすすめの歯磨き粉〜

フッ素入り歯磨き粉を効果的に活用するためには、1日にできれば2回の歯磨きを行うことが大切です。特に就寝前の歯磨きを忘れずに行いましょう。フッ素入り歯磨き粉はむし歯予防に役立つ重要なアイテムですが、適切な年齢や使用方法に注意することで安全に利用することができます。もし歯磨き粉の選び方に疑問がある場合は、歯科医師に相談してください。

このように、適切なフッ素の濃度と使用量を守りながら、フッ素入り歯磨き粉を正しく使うことで、むし歯の予防効果を最大限に引き出すことができます。歯科医師や歯科衛生士との定期的な相談や検診も忘れずに行い、健康な歯と口内環境を保つことを心がけましょう。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科