通常のインプラントは、なるべく奥の方にインプラントを入れて、AO4は、人工の歯をテーブルに見立てて、四隅に置くって考えます。
その4本をチタンのフレームで強固に繋ぎ、噛めるようにしていきます。
4本のインプラントの後方に入れることが解剖学的に難しく眼球直下の頬骨に入れたり、斜めに埋入します。この手術の難易度が高く、腫れや痛みを伴います。
ここで1番の肝は、「後方の2本をなるべく奥に埋入手術」することです。

テーブルの足よりも天板を大きくすると、テーブルが傾くからダメなんです。

その支柱に無理な力が働くとも言えます。

その力は、栓抜き効果と言います。

インプラントを前方に集めたインプラント入れ歯の奥歯で食事をする!
インプラント入れ歯の構造から紐解いてみましょう。
奥歯で噛む→力点
前方のインプラント→支点
後方のインプラント→作用点になります。
これは、栓抜き効果=二級テコとも呼びます。
栓抜きのように、上に引き上げれば線が抜けて、逆に押し下げると、作用点にテコの力で倍加した力がかかるという図式です。
この図の方が分かりやすいでしょうか?奥歯で噛むと、後方のインプラントに力が集中する。
また、支点から力点が離れて支点と作用点が近づくと、距離に比例して作用する力は、大きくなります。
小学生の「テコの原理」で習いましたね。
ピラミッドを作る人の絵を思い出しましたか?
入れ歯の図を見ると、力点が20mm離れています。
という事は、後方のインプラントにテコの原理が働くということになりますよね。
しかし、最新材料トリニアを使うと、テコの原理は、破綻します。
えっ!なぜ!
もう一度見てみましょう。
今度は、くるみ割りの金属が反る、黄色く曲がっていらではありませんが。
くるみ割りやテコの原理は、それぞれをつなぐ材料が硬くで折れない前提なんです。
エジプトでも、大きな石を押すあの棒が折れてしまったらどうでしょうか?プラスチックで、曲がったとしたらどうでしょうか?石は動きません。
そうです。
FO4では、トリニアと言われる、ボーイング社の飛行機ににも使われていて、軽くて強度があり、ひねりにも強いファイバー繊維入りのプラスチックのフレームを使う事で、インプラント義歯における、後方にインプラントを配置することが難しいという、解剖学的問題を最新素材で解決することができました。
 
硬さを追求して、加工の難しいチタンのフレームを作っていましたが、最新の素材を利用することで、硬くするよりもしなる事で、インプラントが後方に埋入手術できない問題を解決しています!
画期的ですね。
FO4は、ショートインプラントを使う事で低侵襲性の手術を行い、無理な骨造成を避けています。
結果、腫れや痛みの少ない術式となり、高齢者にも受けやすくしました。
また、骨がない場合、埋入する場所にも制限がかかりますが、フレームをトリニア素材で延長する事で栓抜き効果を抑制しながら、延長部分の歯まで噛むことが可能になります。
強い力を強く支えるよりも、逃しながら耐える。これが、今風の力学です!
耐震構造で、タワマンが揺れながら自身の力を逃す。とか、ボクシングでは、スウェーで強打を受け流す。など、台風でも柳の枝が折れないような工夫をすることが常識となっています。
一般歯科の分野でも、金属芯棒からグラスファイバーの芯棒に変わりました。
一般的にもその考え方は広がり認知されています。
これからの未来は、体に優しい、腫れや痛みの少ない高齢者にも優しいインプラント義歯である、「FO4」が注目されるでしょう。
全ては、患者さんとメンバーの笑顔のために・・・
下田孝義
医療法人社団徹心会ハートフル歯科