神経治療に嫌気性培養を応用開始
根管治療中の根管内から細菌のサンプルを採取して培養することで根管内の無菌化を調べる検査を始めました。
根管内の細菌を物理的、化学的に除去することが根管治療の基本になります。
しかし、細菌は見えないために無菌化ができているか調べる事は、困難を極めていました。
根管内には、無数の菌がいて酸素の好きな菌と酸素の嫌いな菌が存在して細菌の培養は、やりにくいものとなっています。
根管治療の予後に関係するのは、嫌気性菌ですが、歯牙内から空中に出すと酸素に触れて死滅してしまいます。
だから、うまく培養して検査しにくいものでした。
人間は、酸素がないと死んじゃうので逆ですね。
根管内に潜んで、銀歯が被ったその何年も後にゆっくりと時間をかけて酸素がない状態で生き、繁殖して問題を引き起こします。
治療の終わった根管内は、酸素の供給がなくても生きられる嫌気性菌の天下となっています。
そこで、根管内には、菌がいないことを検査するためには、嫌気性菌を根管外に取り出した後に、酸素のない環境下で培養しなければなりません。
それが可能にするのが、この茶色の試験管の液体です。
この液体の中では、根管内の様々な条件が再現され、機械の中で37度が保たれることで温度条件も揃ろい、嫌気性菌が培養されます。
見て下さい。
向かって左側だけ、泡が立っています。
細菌がいた証拠です。
見えない細菌を無酸素状態で培養できる特殊な試験薬の試験導入が進んでいます。
11月末までは、キャンペーン期間中だったので、嫌気性培養検査無料で行っていました。
根管治療で悩まれている方には、1度根管内の細菌培養検査をお勧めします。
物理的に汚れを取り、マイクロスコープで見て確認します。
化学的に洗浄、消毒液にも工夫をすることとなりました。
そして、細菌培養検査を行い、根管内の細菌検査の結果が出ない場合には、抗菌薬や抗真菌薬の使用を試みます。
無菌に近い状態を調べるこの検査を始めることで、治療中の根管内の状態をより細かく把握できるようになりました。
根管治療が、さらに進化します!
細菌を見える化することで、より良い結果が、期待できるようになりました。
2023年11月いっぱいの試験的キャンペーン期間内に限り、追加料金はかかりませんでした。
それ以降は、別料金になる可能性がありますのでご了承ください。
全ては、患者さんとメンバーの笑顔のために・・・
下田孝義