母親が取っておいてくれた、文鎮
中学の技工の時間に作った文鎮が、残っていました。
何度もの引っ越しで、アルバムや写真は捨ててしまいました。
大学の卒業アルバムもありません。捨ててしまいました。
この文鎮は、私が浪人していた時に本のページを押さえてくれて、一緒に過ごした思い出の文鎮です。
そんな僕ですが、文鎮がみつかったので
文鎮にまつわる僕の思い出を書いたみたいと思います。
僕は、まぁまぁ器用で、美術や技術が好きな中学生でした。
特に技術の授業は、木工、鉄加工、ホゾつぎ、目打ち、キリ、ドリル、など父親ともよく日曜大工をやりましたがその延長で楽しく授業に臨んでいたことを覚えています。
この文鎮は、金属の塊から、削り出して、ネジとナットを切り込みます。
ネジ切りタップを習いました。
オスメスのネジを削って作りました。
文鎮の取手です。
キチンと切らないとうまく入りません。
ドリルで、穴を開けて、タップを切って、うまくハマらないとオイルをつけて、手でタップを付け直したりした記憶があります。
記憶が、蘇ってきました。
当時の技術家庭の授業は、今のインプラントのオペにつながっています。
インプラントのモーターは、まさにインパクトドリルです。
インプラントは、まさに タップをきっていれます。
無理に太いネジを入れると木が割れる
素材の硬さに合わせて、事前に削る穴の太さは変わる。
目打ちの使い方は、ソケットリフトでの叩き方
ピエゾは、糸ノコ感覚
チゼルは、角ノミ。
ヘーベルは、丸ノミの動き…
ここまでくると
縫合は、家庭科の延長と化しています。
子供の頃に習らっている似た道具や動作から、全てを察して扱っています。
技術・家庭の授業が好きだった僕には、インプラント手術は、その延長上だったのです。
懐かしいなぁ。
文鎮から、今のインプラント手術を振り返りました。
根っこないところに芽は、出ない。
勉強できないから、技術・家庭で、今も生きていることに気付かされました。
全ては、患者さんの未来のために・・・
下田孝義