All on 4 の症例で、15年良好に過ぎている方がコロナもあり久々に来てくれた。
上の歯が欠けていた。

4年前に、上額の歯がすり減っていたので全面リニューアルした。

15年前と異なり、硬い素材を選択した。
硬質レジン→eMaxにした。

その頃本歯が入って、10年が経過したこともあり、噛み合わせも安定している逆に減らない素材の方が良いと判断してeMaxを選択した。

それから、コロナもあり4年が経過した。

連絡を受けた時には、すり減りが早い人なので、また すごい減っている。

だから、前歯が欠けているんだろう。

そうすぐに予想できた。

期間は、短過ぎるとも感じたが

上下のAO4のインプラント歯を外して、修理とメインテナンスを試みた。

夜間マウスピースを使ってもらい、咬合力のコントロールもした上で

すり減りが強いということは、白い歯の部分にも力がかかるが、そこの強度を上げたことや15年の咬合圧の経年的な負担から、中ネジが破損していた。

中ネジが折れた。

致命的だ。抜去か、放置かどちらかしかない。緊急的に、3本だけ戻して、インプラント歯を口腔内に留めた。

他の8本の中ネジも同様の金属疲労があると予想したため、相談してすぐに新品交換しようと話した。

中ネジの問題点は深く。

これからも発生するのかもしれない。

リカバリーについて、検討しなければならない。

開業して18年を経過して、インプラントも相当数やっている。

時間が経過しないと分からないものもあった。

中ネジが折れるなんて考えたこともない。

今は予想の範囲となる。

昭和に卒業した僕らの世代は、インプラントの是非 自体が問われていた、しかし、令和インプラントの長期予後の期待値は高く、数年後からの被せ物の耐久性や中ネジがの問題について議論されるようになってきた。

平成には、インプラント体、アバットメント、セラミック、の三つの構造物のうち、
アバットメントの素材について議論されている時期もあった。

ゴールド系は廃れ、チタン・ジルコニアが主流となっている。

卒後25年間で問題となったのは、

1.インプラント治療そのものが問題

2.アバットメントの素材問題(ゴールドの鋳造は、汚れがつきやすい)

3.被せ方の問題(接着剤の使用の有無)

4.すり減り方から白い歯の素材

5.清掃性に関与するインプラント歯の作り方

長期経過を踏まえて、多くの問題が、新たに発生して解決の糸口を探して進化してきた。

今後も新しい問題が発生するのだろうが、歯科医学の発展が解決してくれる。

新しい問題が起こるからりやらないという選択もあるが、やらなけば現代医学の恩恵は受けられない。

毎年新しいスマホが出るから、買わないという理由はない。

同じことだ。

僕は、iPhoneユーザーだが、必要に応じて買い替えている。

どうせ来年出るからと買い控えることもない。

インプラント治療を闇雲に怖がる時代は終わっている。

iPhoneと同じく、優位性は高く、有益な治療方法だと思う。

それでも改善が必要となるだろう、変化する事で発展していくだろう。

常に前に進む。

科学技術の進歩が、アポロを月に送り込んだ。偉大な科学の力で人類は、発展的な生活を送っている

歯周病で歯がなくなり、入れ歯もなかったら、調理器具がなかったら栄養が摂取できずに死ぬだろう

アフリカのライオンの歯がなくなれば、即 死につながるようなもんだ。

食事をする喜び、バランスの良い栄養摂取、噛むことによる刺激、楽しい時間は、生きがいやりがいになりボケ防止につながる。

噛めることは、生きること。

インプラント治療は、高齢化社会を支える基礎部分となっている。

肯定的にとらえ、推奨している。

問題があれば改善して、未来に立ち向かっていきたい!

全ては、患者さんの未来のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科