この方は、入れ歯が合わないと言うことで、新規の入れ歯を作りました。
その結果食事が、きざみ食から、普通食に変更になる話が出るまでに食生活が回復した患者さんです
体重も少しづつ増えて44kgになりほっとしていました。

その数ヶ月後、突然ですが入院してしまいました。
誤嚥性肺炎になり、1ヶ月の入院です。
なんとか一命を取り留めて、施設に戻って来られたので口腔ケアと入れ歯の調子を見に行きました。

体重は、35kg に減って
経鼻チューブから、栄養剤での食事に変わってしまいました。

一回のエネルギー量が200kcalの栄養剤を流し込み、水分と栄養を補給します。

しかし、成人の必要な摂取カロリーを取ることはできないために体重はさらに減少します。

誤嚥性肺炎や胃瘻をする前段階では、有効ですが、体力、筋力の減少は、進みます。

入れ歯で噛めるようになったから、食事が進み誤嚥性肺炎になり、入院
誤嚥性肺炎予防で、経鼻チューブになり体重減

入れ歯がなかった方が良かったのか?

入れ歯で噛める≠食事ができる
の典型例と感じました。

先週の口腔機能低下症の講義を受けて、歯科医院に来る健常者とその未来となる施設にいる高齢者の間にいる50代60代70代の方に、口腔機能低下について理解してもらえるようにアドバイスをしていこうと考える良いきっかけとなりました。
このように噛めるようになったら、誤嚥性肺炎になる。
嚥下の機能低下が問題となっています。
嚥下の機能が低下してきたら、歯科医院でリハビリを勧めていく必要があるということが理解されたと思います。

全ては、患者さんの未来のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科