インプラント手術の中で、上顎の薄い骨へのアプローチは最も難易度が高いものとなっています。

その中で、上顎洞の形による難易度の分類を社内セミナーで先日行った経緯もあり、難易度の高い症例に対しての新しいアプローチを行っています。

なかなか説明しにくいのですが、左上6番が抜歯窩が、上顎洞側に突出していて、その後ろの7番に向かって上顎洞が急に下がっています。

また、抜歯窩の方が一部穴が空いていて、上顎洞粘膜とつながっています。

従来のサイナスリフト剥離子だけでなく、K2システムの小型の上顎洞の剥離子を応用する事で従来よりも応用範囲が広がりました。

道具による手術術式の進化です。

抜歯窩と上顎洞に両方に対して、骨造成をするように変化しています。
インプラントセラミック歯が、より自然な形態になり、歯磨きがしやすいインプラント治療を目指すようになりました。

思えば、
1.30年前は、インプラントの是非について
2.25年前は、骨造成の可能性について、骨誘導膜が登場します
3.20年前は、セラミック歯の作り方(接着するのか、仮着なのか?)が変わっていきます。そのあと、ネジで取り外し式や、叩いて取り外せるタイプなものが登場して、汚れたら、外して洗う方が出来るようになり、インプラント周囲炎について対策が可能になるように進んでいきます。
3.15年前は、即時荷重のインプラントの可能性、抜歯即時インプラントなどに発展していきました。
4.10年前は、ショートインプラントに出会い
5.5年前は、超音波切削機(ピエゾサージェリー)とK2剥離子が登場。器具による術式の変化しました。腫れや痛みの少ない術式が、新たに生まれた気がします。
6.コラーゲンを含む人工骨の登場により、垂直的に骨造成が可能になりました。インプラントが、噛めれば良い時代から、長く使えるように歯磨き環境を整えながら歯を作る。ようになりました。

大学生時代から、30年間歯科医療を見てきました。

インプラントの進化は、止まることを知りません。

今日は、XGuideのオペでさらに進んだのですが、それはまた次回のお楽しみです。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科