第4回ということですが、去年の第3回は、CAD/CAM学会と重なって不参加だったことを思い出しながら、神戸まで日帰りで行ってきました。

歯髄は、蘇る!
凄い言葉ですよね!

最新の再生医療技術
歯髄幹細胞を用いて従来不可能だった歯髄組織の再構築を実現します。

歯科でいち早く取り組み、世界で一番早い動きとなっています。欧米では、歯は、痛ければ抜けば良いと言われ、インプラントがあるから再生させる必要はないと考えられています。しかし、日本人の勿体無い精神が基礎となり、歯髄幹細胞の抽出、培養技術が進化してきました。

根管治療との違い
単なる除去・充填ではなく、生きた組織の再生を目指します。

歯髄再生は、根管治療とは異なります。

根管治療は、歯の神経を除去して、その穴を異物を充填する方法で歯の神経は、決して治っていません。徐痛を中心として、対処療法となります。

神経にまで虫歯が及んで痛みを発現した場合には、神経にむし歯菌に感染したので、歯の感染した神経を除去して、根管内を無菌化したのに、新しい歯髄幹細胞を、入れ 神経を再生することで歯の機能を回復します。新しい時代は、神経の回復を持って、治癒と呼ぶようになることでしょう。

実際に、歯髄再生されるメリットは、なんでしょうか?

① 知覚の回復(感覚神経の再生)
再生歯髄により冷温・痛覚などの感覚応答が復活し、「生きている歯」としての自然な反応が戻る。
→ “Vital tooth preservation” の本質。

② 免疫応答・防御機能の回復
歯髄組織にはマクロファージ・樹状細胞などの免疫細胞が存在し、細菌侵入時に自然免疫として防御できる。
→ 根管治療の問題となる根尖病変の再発リスク低下、長期安定性の向上。

③ 栄養供給・代謝維持
再生歯髄内の血管網が象牙芽細胞層を栄養し、歯の構造維持(脱灰修復)に寄与する。
→ 歯質のしなやかさ・破折抵抗性を維持できる。

④ 生理的防御としての再石灰化能
再生した歯髄が象牙芽細胞の活動を再起動し、二次象牙質・修復象牙質の形成が可能になる。
→ 小さな亀裂や摩耗にも自己修復力を発揮。

⑤ インプラントや義歯にない“生体一体性”
・神経・血管を持つ天然歯は、咬合力を感知し自動調整できる。
・再生歯髄は、生理的フィードバックシステムの再構築する。
→ 「天然歯を残す」価値を科学的に裏付け。

⑥ “生命としての歯”の復権
感覚・免疫・代謝が戻ることで、「機能」だけでなく「生きている組織」として再統合される。
→ 「治す」から「蘇らせる」へのパラダイムシフトが完成する

自分の歯が文字通り復活する。そんな日がやってきました。

歯科の世界は、大きく変わろうとしています。
1.従来型の受診行動
痛みや問題が生じてから最低限の治療を受ける反応的なアプローチ
2.予防重視への転換
定期的なメインテナンスと早期発見早期対応による積極的な健康管
3.健康寿命の延伸
口腔機能を維持して、全身の健康と生活の質を長期間維持する社会の実現
昭和→平成→令和 とでも位置付けしましょうか。
令和の時代の歯科医療は、健康の入り口として健康管理の基礎として噛むことの重要性を定義して行きたいものです。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義
医療法人社団徹心会ハートフル歯科