当院では、日々の診療の合間にも、スタッフ全員が知識を深めるための勉強会を継続的に行っています。
先日の金曜日のお昼休みには、セラミック治療をテーマにした講義を行いました。
参加したのは、ドクターと技工士のメンバー。
今回の講師は、技工士の永田さんと理事長でした。

永田さんからは、主に技工士向けの視点でお話をしていただきました。
セラミックの強度や色調、そしてCAD作業を行う際の注意点など、日々の技工業務に直結する内容が中心でした。
実際の症例を交えながらの説明はとても分かりやすく、ドクターにとっても補綴設計を考える上での重要なヒントが多くありました。

理事長からは、セラミックの「シェード(色)」についての講義がありました。
現在、多くの現場で使用されている「ビタクラシカルシェード」は1950年代に作られたもので、本来はメタルボンド時代の色基準だという話から始まりました。
今はオールセラミックの時代であり、それに適したシェード選択が求められます。
例えば、明度がやや高めの色を選ぶと、下地やセメントの色と自然に調和し、より「馴染みやすい」結果が得られるというお話は非常に印象的でした。
また、前歯・臼歯・小臼歯それぞれで推奨される素材の選択理由や、セメントの色味による印象の違いなど、臨床ですぐに活かせる実践的な内容が続きました。
「いかに患者さんに自然で美しい仕上がりを提供するか」という審美と機能の両立を追求する講義でした。
勉強会の後には、参加したメンバー同士で意見交換が自然と始まり、診療室での疑問点を共有し合う姿も見られました。
研修医として当院に来る先生方にも、こうした勉強会には積極的に参加してもらいます。
教科書だけでは得られない「臨床の感覚」や「材料選択の考え方」を、経験豊富なドクターや技工士から直接学ぶことができるのは、非常に貴重な機会です。
日々の診療と勉強会の積み重ねを通じて、確実にステップアップできる環境がここにはあります。
これから研修先を考えている皆さんにとっても、実践的で有意義な学びの時間を重ねられる場であることを感じていただけたら嬉しいです。