前回とはまた違う方の歯の接着治療の例です。

この方は、完全に割れていた!
大臼歯が、なく。
第2小臼歯までしか噛んでいない。奥歯がないという意味です。

(写真に血など写っているため、見たい方のみ「続きを読む」にお進みください。)

長年、大臼歯がない状態で食事をしていたせいでこのように完全に2つに割れていた。銀歯が被っていました。
頬側の骨が残っていたので、口腔外接着治療法の適用と判断した。

もちろん、大臼歯がないので接着治療をしたとしても、その奥歯として大臼歯部にインプラントをする事が接着治療を行う上での最低条件だと説明して理解された上で治療を行った。

口腔外で、スーパーボンドで接着された歯は、見事にピッタリとくっついた。抜歯した残りわずかな歯根膜(骨と歯根をつなぐ膜)を保全するために、手際の良い作業が求められる。生理的食塩水に浸された滅菌ガーゼに包まれた状態で7分間スーパーボンドの硬化を待つ。
硬化後すぐに抜歯窩に戻した。

以前のブログにも書いたが、90度回転する方法もある。状況判断が求める。経験予測の部分と言えるかもしれない。

外科的再植術 回転付き

口腔外接着法は、一旦は抜いてしまうので、骨と生着しない可能性がある。なるべく、選択したくない方法かもしれない。

破折の原因は、色々ある。
しかし、多くの場合は、荷重過多状態だろう。
歯が足りないという過多もあるが、銀歯が減らないために相対的に歯が高くなっている場合が多い。説明するには、文字数があるのでここでは割愛する。

この方は、6番目の第一大臼歯にインプラントを入れることで破折歯の噛み合わせの負担が減り、今も機能しています。

歯牙破折は、咬合=噛み合わせ の不調和から来るものが多い。根管治療後に歯質が薄くなって破折した場合は、接着する面積がないので不適応となる。
状況は、千差万別。
なんとも言えない世界観ですね!
完成された感は、ありません。

破折歯の治療は、事前の審査、診断が大切です。
一度、見せて頂いて 「可能、不可能」が決まります。

接着治療は、「夢の治療」とも言えますが、「未知の治療」とも言えます。
多くの経験の中で、これから世界的なコンプライアンスが取れていくであろう治療法である事もお知らせしたい。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科