他院で1ヶ月前に装着した入れ歯が痛くて入れられないという初診の患者さんが来院しました。

「入れた後、食事をすると痛みが出る。」
どれどれ?

入れ歯の形を見てみよう。

・内側に出っ張りが残っています。それが入れ歯が擦れて痛いのかな?
・噛み合わせが高いのかな?

どっちかだろうと
考える。

まずは、内側の突起を削ってみる。
出し入れは、スムースになって。OK!

噛んでみると、何度も噛むと痛みが出るらしい。
噛み合わせを調べる紙を当てると、しっかり噛んでいる。→入れ歯は、上下が当たって、沈み込んだところで噛むので、天然歯のようにしっかりと噛み込んだ状態では、粘膜に強く当たり過ぎます。

入れ歯と天然歯は、噛んだ時の沈下量が異なります。
天然歯は、骨に下支えされているので沈みません。
入れ歯は、歯肉の厚み、弾力分沈み込みます。

そこで、沈み込み量を加味しながら調整をしています。

天然歯と入れ歯が混在する歯列の場合は、天然歯同士はしっかり噛ませて。
入れ歯は、少し紙が抜ける程度に調整しています。
今回の他院さんでセットされた入れ歯は、天然歯のように噛めるような調整されていたので、噛み過ぎて歯肉が痛くなったということですね。

入れ歯の調整は、教科書にないものです。当たっている部分を削って習いました。
どの程度?
粘膜の厚みって?どうとらえるの?
天然歯は、噛ませ方の差?

型をとって、作る入れ歯なのに内面を削る理由は?

分からないことばかり。

入れ歯の作り方を学ぶのが大学教育なので、それも仕方ない。

入れ歯の調整は、老練なテクニックということなのだろうか?

他院さんでセットした時の担当医は、何歳くらいでしたか?と聞くと。
若い先生と言われてしまっています。

ハートフル歯科医院では、こういう症例を通じて全員の歯科医師で、知識や経験の共有を通じて、医療の標準化を図っています。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科