歯科医師臨床研修「光学印象でデジタルデンティストリー」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
ハートフル歯科で頻繁に行われているセラミック治療。その印象採得には口腔内スキャナーを使用しています。
アルジネート、石膏を使ったアナログの印象ではなく、精密機械を使った光学印象です。
デジタルデンティストリーという単語はよく聞くと思います。スキャナーを使った治療は、その代表例なのではないでしょうか。
大学では触る機会が少ないですが、私はこの口腔内スキャナーが使いこなせるようになりたくてハートフルに来ました。
マッチングの面接でも、アピールしていた記憶があります(笑)
「歯を残すブログ」(https://heartful-konkan.com/blog/blog/)では口腔内スキャナーを用いたセラミック治療の症例を見ることができます。
研修医ブログでは、スキャナーの魅力の概要を伝えさせていただければと思います。
口腔内スキャナーを用いるメリットはたくさんあります。
・患者さん負担の減少(時間、嘔吐反射)
アナログの印象採得より素早く終えることができますし、材料を口蓋に押し付けないため嘔吐反射も起きません。アルジネートが苦手な患者さんはたまにいらっしゃいますので、そんな方には理想的な印象採得法です。
・人的ミスの可能性を排除できる
アルジネート、石膏には気泡の混入や収縮の問題があります。歯科理工学の講義で嫌というほど勉強しましたが、そのストレスが一切ありません。
・より精度の高い支台歯形成
支台歯形成後にスキャンして、それがすぐに画面に表示されます。画面では肉眼の何倍もの大きさで、テーパー、アンダーカット、クリアランスが確認できます。チェアサイドでその場でチェックが可能なのです。
・即日治療が可能
スキャンしたデータを元に、すぐにデザインとミリング(CAD/CAM)が可能です。形成して30〜60分後にはセット可能です。麻酔の回数も形成時の1回で済んでしまいます。
デメリット
・機械が高額
スキャナーは非常に高額な機械で、導入のハードルが高いものです。
・歯肉縁下、血液による汚染時のエラー
歯肉縁下など、カメラで読み取れない箇所があります。また、血液など水分があると歯牙表面が反射してしまい、エラーが起きます。これらのエラーを起こさないテクニックを習得する必要があります。
口腔内スキャナーがどんなものか伝わりましたでしょうか?
これからの歯科医療には、欠かせない治療技術であるはずです!