歯科研修医「根管の穿通」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
当院は根管治療のセカンドオピニオン希望の患者さんも多く、再根管治療症例が多いです。
根管治療で根管が開かない原因はいくつかあります。
そういった症例で多いのが歯髄の石灰化、レッジ形成、破折ファイルなどです。
何が原因か診断をし、適切に治療していく必要があります。
湾曲根幹ではレッジが形成されやすいです。ストレートラインアクセスをし、超音波チップでの洗浄をすることで、レッジ形成を起こさないようにします。
すでにレッジが形成されてしまっている場合は、プレカーブを付与してファイリングを行います。
石灰化は様々な刺激によって起こります。機械的刺激(咬耗、摩耗)、温度、科学的刺激などです。
石灰化している根管は、細菌や壊死歯髄組織などの除去が不十分になることや、根管系の緊密な封鎖が困難になることが問題点となります。
レントゲン写真を撮った時点で、根管が閉塞していることは予想できることがあります。
根管の狭窄、閉鎖部の穿通に使用するのが、「cプラスファイル」です。
これは正方形断面(Kファイルと同じ)のステンレス剛線を用いたファイルです。
特徴は先端部が04テーパーで、(剛性を高めるため)それより上部は02テーパー(柔軟性を維持するため)であることです。
これにより垂直圧に対する抵抗が強く、曲がりにくくなるため、先端方向に力が伝わりやすくなります。
EDTAを用いたキレート作用と、徹底した洗浄により、根管を開けます。
スティッキー感があればネゴシエーションを進めていきます。
スティッキー感がなければ閉塞しているので無理に開けないようにします。
間違った方向に形成した結果、レッジ形成やパーフォレーションのリスクがあるからです。
「何度も歯医者に通っているのに治らない。」「原因がわからないから抜歯と言われた。」そういった悩みを持つ患者さんを救うためには、根管治療の技術が必要です。
ハートフル歯科では、整った設備と、学会専門医の指導をいただきながら診療することができます。