より良い噛み合わせに誘導する
前回のブログに書いた通り、入れ歯を作ったり、大きな噛み合わせを調整する際に下顎が良さそうな所で噛む位置に誘導をしています。
これなら、横顔も正常です。
これは、大分下顎が出ていますね。
どちらも本人の意思でわざとやっているわけではありません。
無意識のうちに下顎が動いてしまいます。
そんな状態の方にも、良い「噛みやすい位置」が存在します。
するはずです。
そんな時には、このように入れ歯を押さえながら、水平的位置を誘導します。
噛み合わせを随意運動でなく、術者が良さそうな位置を探します。
Chin-point(Boucher)法と言います。
上顎の両犬歯に指をそえて咬合させます。
下顎が、閉口運動してズレて噛むようだと上顎の入れ歯が回転してきます。
回転しない位置が良い水平的な噛み位置です。
顎の初動を入れ歯を通じて指先から察知するのがコツです。
下顎が突き出さないように、右手で下顎を触り、下顎の先端をリラックスさせるように、上下させます。
顎を脱力させるとスッと奥に下がっていきます。
患者さんに自分の意思で噛んでもらう位置ではありません。
最後は、スッと入っていくものです。
噛み合わせを決めるのは、垂直的、水平的の二方向から決めていきます。
今回は、水平方向の噛み合わせの取り方について書いてみました。
垂直的な方は、旧義歯を参考にするなどしますが、これはまた次回書いていこうと思います。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義
医療法人社団徹心会ハートフル歯科