2010年から12年間、3万本セレックというCAD/CAMを中心としたセラミック治療に取り組んでいます。

だから、毎日のようにセラミックの即日治療を行なっています。

患者さんからは教えてもらうことばかりです。

僕の仕事のかなりの割合をセラミックの即日治療を占めるようになっています。

そこで、「なぜそこまで即日治療にこだわるのか。」いつかの理由を書きたいと思います。

即日のメリットは、

・患者さんは1日で治療が終わることです。
・歯と歯の関係を作りやすい。
・むし歯を取って、30分後にセラミックを接着するので歯面の細菌汚染がない

ことがあげられます。

(セラミック自体の治療メリットは省いています。)

その中で「歯と歯の関係」を作りやすい点を解説していきます。

歯と歯の間にむし歯ができるとこんなふうに削ります。



一時的に歯と歯は離れてしまいます。

そして、歯科技工所で銀歯が製作され、翌週装着することになるのです。

その間に歯には変化が起こります。

物が詰まらないように、奥歯が前に自然に移動するんです。

そういう自然の法則があるからです。

すると、いくら歯型模型をとっても、その歯型模型は1週間後の口腔内と異なってしまいます。

実際には、歯型模型になった状態で既に変形は起こっています。

また、角はなめられるので、正確に再現できません。

それが大前提で、歯科治療は行われています。

しかし、カメラで撮影された歯型データでは、細部まで正確に写されて、パソコン画面上で再現されます。

そして、0.1 の組み合わせのデジタルデータとして、セラミックデザインされ、セラミックとして加工されます。

変形は少ないです。

そして、出来上がった物がデータ通りなのは理解できたとして。

即日になった意味は、歯の移動がない状態で装着まで治療が進められるって事です。

いくらデジタル歯型データでセラミックを作ったとしても、歯の移動は避けられず、口腔内のデータは先週とは異なってしまう事は変わらず歯科医師の調整が必要になります。

せっかく、再現性が高いのにもったいない。という話ですね。

そして、歯と歯の間の関係を正確に作れる理由がノブの位置にあります。



このように、削る時出来るノブを歯と歯の間に設定しないようにすると、ノブ取り・研磨の手作業の時にもテクニカルエラーはほぼ起こりません。

このノブ位置は、かなり重要な要素です。

どうしても歯と歯の間にノブをつけて製作した場合、若干歯と歯の間がきつい時もあります。

それは、ゆるければ調整できないので、若干キツめになるように歯科技工士が製作するので、後は歯科医師の腕の見せ所といえます。




こんな風にピカピカに磨いてくれます。

調整なしで、ピッタリが理想です。

しかし、ノブがないと削っては作れません。

最後にノブ調整が必要になります。

歯科医師&歯科技工士はペアで仕事をしています。

歯科医師vs歯科技工士ではないので協力して仕事をする必要があります。

いい意味では、
歯科医師:「キレイに削ったので良セラミックを作って!」
歯科技工士:「これなら良い物が出来そうだ。期待に応えよう。」

といい意味では、ライバル同士かもしれません。

これなら良い関係が生まれます。

この方は、最後このように装着されました。

 

「歯科医師&歯科技工士」の息もピッタリ!
「歯牙&セラミック」の色や形もピッタリ!

お後がよろしいようで。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科