歯科医師臨床研修「シェードテイキング」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
本日は、シェードテイキングについてです。
補綴物の機能性はもちろん大事ですが、患者さんに一番わかりやすく評価していただけるのは、補綴物の綺麗さです。
色調は、明度(明るい、暗い)、彩度(濃い、薄い)、色相(色の名前、赤身、黄色味)
の3つの評価基準で表現することができます。
保険のレジン前装冠はクラシカルシェードを参考にシェードを決めていますが、セラミック治療の際には、セラミックに合わせたシェードがあります。
その2つについて見ていきましょう。
まずは基本の大学で習うクラシカルシェードですが、アルファベットで色相を、数字で彩度を表しています。
色相は、「A→赤みがかった茶色(日本人の平均)」「B→赤みがかった黄色」「C→灰色」「D→赤みがかった灰色」に分かれます。
数字は大きい方が、彩度が高い(色が濃い)ことを示しています。
このままでは明度が表現できませんが、3Dマスターシェードではそれが可能です。
その際、明度は数字で表現します。数字が大きいほど明度は低く(暗く)なります。
色相は、「L→黄色」「M→赤黄色(日本人の平均)」「R→赤色」に分かれています。
当院で一番使用されているVITA MARKⅡではこの3Dマスターシェードを使用しています。
その次によく使っているe.max では、クラシカルシェードのシェードに加えて透明度の概念が加わります。
HT(高透明度)、MT(中透明度)、LT(低透明度)の3つがあります。HTはインレータイプ、LTはクラウンタイプに適しています。
セラミックセット時には、支台歯の色、使うセメントの色なども考慮します。患者さんの口腔内の環境は様々です。
患者さんに満足していただける審美性の高い補綴物を入れる第一歩として、適切なシェードテイクができる必要があります。
ハートフルではチェアサイドに技工士さんが来てくださるので、教わりながら成長することができます。