FO4の手術をするときに埋入する場所には、いつも四苦八苦しています。
骨の表面を見ても、内部にある、空間や神経の走行が見えないからです。

インプラント手術、歯科治療は、全て口に手を入れて行います。
方からしか、見えないのが欠点です。
そうすると、前後的な位置関係が、見えにくインプラントにくいということにつながります。

通常のインプラント手術の様に、サージカルステントやXガイドシステムを使用したくても残存歯がないので基準がなく使えません。
そこで、フリーハンドでの勘。経験。解剖学知識。
など総動員します。

実際には、剥離したあと、CTの立体画像と見比べながら、見えない空洞や神経を予想してここしかないという一点にドリルを入れていくのですが、かなり薄氷を踏む思いになることは間違いありません。

このスライドでは、
粘膜上に入れ歯型のサージカルステントを装着していました。
そのサージカルステントには、インプラントドリルよりもかなり大きな穴が開いているのが特徴です。

普段のサージカルステントは、ドリル径と同じサイズの物を使い、寸分の狂いもないドリリングを狙っていきます。

この大きな穴が開いた、ステントで、その精度がなくなっています。ありゃ?

このステントは、近遠心的な位置関係を決め、頬舌的な位置関係は、粘膜の形態を見て、ドリルで骨頂部に印をつけるために使用します。
最終的には、粘膜剥離をした後、以前通り、骨面の形態と、CT立体画像の比較しながら、行うのは同じですが。

サージカルステントで、骨面にマークが存在するのでノーヒントで剥離するよりも数倍安心感が広がります。

帰国後には、歯科技工士さんと相談して、そのサージカルステントを3Dプリンターで製作する方法を考えました。

アナログだけの、FO4手術の世界に、デジタルの診断が加わり、新しい世界に突入します。

デジタル診断によって、インプラント手術が進化しました。

イタリア研修には、新しい発見が詰まっています。

全ては患者さんの笑顔のために・・・

 

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科