その5(https://e82.jp/blog/takayoshi-shimoda/17176k)に書いた、入れ歯の吸着と唾液の話について捕捉します。

唾液は、入れ歯の吸着に大切な要素の一つです。

しかし、高齢者なると老化や病気、お薬の影響により唾液の分泌が減ってきます。

20代成人と比較すると、1/7 になってしまいます。

唾液があまりでないと入れ歯は吸着しにくくなります。

唾液が介在して初めて、凝集力が発揮されるからです。

また、唾液がでないと口腔内がカサカサに乾燥した状態になります。

入れ歯がくっつかなくなるだけでなく、擦れて痛みも出やすくなります。

その為、病的に唾液量が少なくなる場合には、人工唾液(サリベートなど)を使用する場合もあります。

昔、僕の祖父が大きな湯呑みにお茶に入れ、その中で入れ歯を洗ったりその後口に戻したりしていたのは、ヌレを良くするためだったんです。

入れ歯にとって、唾液は最重要!

吸着と入れ歯として機能するための必須のアイテムと言えるでしょう。

また、唾液には粘液性と漿液性と言われる粘稠度に応じた言葉があります。

糸を引くような粘っこい唾液(粘液性)の方は、入れ歯の吸着がしっかりとします。

粘液性>漿液性

なんです。

唾液には、虫歯予防、歯周病予防、消化にかかる分解酵素、乾燥を防ぐ、食塊形成、粘膜修復、免疫機能など大切な仕事をしています。

唾液を侮るなかれ!

痛くない・噛める入れ歯では、唾液が大切な役割をしています。

健口長寿には、歯が命!

もし歯がなくなっても入れ歯で機能回復することが大切です!

噛むことで、認知症の進行、栄養虚弱、フレイル(体力低下)の予防になることは明らかです。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科