入れ歯の型採りをして、そこに石膏を注ぐ。

石膏は、水と粉を混ぜて硬化します。

石膏の種類、混水比や、気温、混ぜ方などでその硬化膨張は変わります。

1〜2%程度膨張します。

また、石膏が濡れてしまうと、水和膨張でさらに大きくなってしまいます。

この「痛くない噛める入れ歯」シリーズでは「色々な変形」の話を常にしていますが、ここでも石膏を使用すると変形するって事だけを理解して下さい。

入れ歯の型を採るときには、印象材を使います。

印象材を使う時にも変形は起こります。

しかし、コピー義歯を使用した印象では、印象剤の厚みは薄く、その変形量は今まで出てきたどの製作工程の中でも1番小さな変形になります。

・型取りをして、石膏を流す。硬化した模型は、元の歯の大きさに近似するけど同じではない、うーん。深い。
・型採りした内面の形は、ほとんど変形しない。無視できるレベル。

石膏を流さないで入れ歯が作れないだろうか?

その答えが印象面のデジタルスキャンとなる。

スキャナーで、型採り面をスキャンする。

凸凹を入れ替えると立体化可能です。

0.1ミリの世界で、スキャンすると今のスキャナーの精度ではほぼ変形という概念はなくなります。

内面のスキャンこそ、理想の入れ歯の作り方です。

理想の入れ歯作りの模型の作り方を見つけました。

デジタル化によって、ここで一歩前進しました。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科