噛み合わせをとる
噛み合わせって難しい!
上顎にぶら下がっている下顎は、前後左右に自由自在。
下の前歯だけ残っている方や総入れ歯の長い方は、自然に下顎が前に出て噛む癖がついてしまいます。
奥歯で噛むと食事が痛かったり、下の前歯が残っていて、舌の前歯で噛もう噛もうと自然に下顎が前に出る習慣がついてしまいます。
この方は、「はい、噛んでぇ〜!」というと、下顎が出てきます。
明らかに下顎が出ています。
口元を見てみましょう。
上の入れ歯よりも下の歯が出ていますよね。
正面を見ても下の前歯で噛もうとしています。
奥歯は噛んでいないのに、この位置で噛もうとします。
何度やっても、「アイーン」になってしまいます。
習慣性の咬合位と言います。
実際には、こう噛んでいたはずなんです。横顔も正常に戻りました。この位置で、入れ歯を作りました。
口元のアップでも自然な噛み合わせです。
正面を見てます、違和感がありませんね。
本人的には、どちらも良い感じらしいのですが…
下顎が突き出している顔を写真で見てもらい、「痛みがないのなら下顎が後ろに下がっている位置の方が噛みやすいはずですよ。」と説明をしました。
噛み合わせは、このように本人の意思とは裏腹で、勝手に動いてしまいます。
わざと下顎を出しているわけではありません。
だから、噛み合わせを決めるのは難しいんです。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義
医療法人社団徹心会ハートフル歯科