痛くない・噛める入れ歯 その㉜ 噛み合わせを修正すると入れ歯は吸着する
辺縁調整を終えた治療用義歯は、上下それぞれを口腔内に戻し、手で押すと吸着します。
しかし、なぜか?噛むと外れる事があります。
これは、どこに問題があるのでしょうか?
デジタル義歯作製は、型取りでOKにしたら、次のステップに問題を移します。
噛むと外れるんだから、噛み合わせに問題があると考えるのです。
噛み合わせには、垂直的、水平的の2つの問題があります。
噛んだ瞬間に、左右どちらかに偏って噛むと逆側から空気が入って外れてしまいます。
理想の入れ歯は、左右が均一に力が入り、吸盤を押して吸い付くようなイメージです。
・吸盤の一部が欠けていてどんなに押してもくっつかない→型取りの問題
吸盤のヘリがガラス面にピッタリしていないと外れちゃいますよね。
・斜めに押すとくっつかない→噛み合わせ
こんなおもちゃで遊んだことありませんか?
壁に真っ直ぐに飛ばさないとくっつきませんよね。
入れ歯も生活の中のものに置き換えるとすぐに外れちゃう理由が分かります。
吸盤の形は、口腔内の粘膜の形!
おもちゃの矢尻は、壁に垂直に押しつけるように、真っ直ぐに噛み込むようにしましょう!
ほら、答えが見えてきましたね!
噛み合わせがズレていると真っ直ぐには噛めませんよね。
そこで、入れ歯の凸凹が邪魔して、噛む力が入れ歯に対して垂直に当たらないのであれば、上下の治療用義歯の間にワックスを介在させて、真っ直ぐ当たるように調整します。
ワックスを使って、咬み合わせを調整した後、かみかみすると入れ歯が外れなくなります。
噛み合わせがOKであれば次のステップに進みます。。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義