この後は入れ歯の試適、完成となります。
1回目の来院
無圧印象
2回目の来院
閉口機能印象、ナソメーターによる噛み合わせ採得
3回目の来院
上下入れ歯の試適
4回目の来院
入れ歯の完成
という4step です。
入れ歯作りの工程2回目となり、時間をかけて理解を深めました。
今回のナソメーターを使用した入れ歯作りは、最終的にデジタルBPSへ移行する途中過程の歯科医師の手技です。
今回の入れ歯作りは、まだ全て人の手によるアナログな方法です。
従来の入れ歯作りでは、ヒューマンエラーや匠の技が現れます。
しかし、患者さんと一緒に作りあげるナソメーターを使用した閉口機能印象、噛み合わせ採得法では、歯科医師の技による差異はなくなります。
多少の噛み合わせの誤差が噛めないという状況を作ります。
ナソメーター法は、誰がやっても上手くいく入れ歯作りとなるはずです。
今後の展開として、技工士さんの作業も全てデジタル(パソコン作業)に置き換わっていくでしょう。
石膏模型、咬合機、ナソメーターは、パソコン上で操作されてデータや3Dプリンターに置き換わります。
またデジタルナソメーター、入れ歯作りは、パソコン画面での作業に取って代わります。
このように入れ歯作りが半人、半機械になるが次の時代の攻勢です。
デジタル義歯に向けて、ナソメーターを使用した入れ歯作りを研究しています。
デジタル化されると、総入れ歯作りは「簡便、省力、効率化」となります。
そして、「誰もが噛める入れ歯作り」が目標です。
今までもそうあるべきだと思っていましたが、そうでない世界が存在していました。
それは、入れ歯作りの最終過程(歯科技工作業)の精度が低かったからです。
入れ歯作りは、誤差の集積から痛くて噛めなくなります。
しかし、それを大学では教えてくれなかったのです。
そして『それなら精度が上がればもっと噛める入れ歯が作りやすくなる 』とつながっていくはずです!
今の入れ歯の問題を解決するために
・型取り、噛み合わせ採得の歯科医師毎の誤差をなくす
・入れ歯製作過程の誤差をなくす
この両立ができれば、入れ歯で噛めることになるでしょう。
入れ歯作りの技工士さんの作業、(作業誤差の発生過程)
・上下の歯型の位置関係を正確に表示する
・ナソメーターをデジタルで作る
・入れ歯の人工歯をパソコン上で緻密に並べる(28本の人工歯を一本一本手で緻密に噛めるように並べるのは難しいです)
入れ歯作りの際に発生する製作過程の変形という誤差をなくしてくれます。
全製作過程においての誤差の集積が噛み合わせに現れます。
誤差があるから、噛めないんだと思います!
従来の入れ歯作りでの歯科医師の治療と、歯科技工士の作業から生まれる「誤差の山」を解決する糸口となるでしょう。
この方法が日本全体に広がっていくことを願っています。
社会は、平均寿命と健康寿命を近づけることが求められています。
そこに歯科関与をしていきたいです。
永遠の命はないです。
そこで、健康寿命が平均寿命に近づけば、高齢者の幸福感は増していくことでしょう。
歯を抜かず、入れ歯で噛めるように回復することにより、社会的な孤立をなくし会食や趣味を楽しむことができます。
せっかく人に生まれたのだから、人として生きて大いに楽しんでいこうではありませんか。
そのために、「噛めること」「噛み合わせ」を守っていきたいと思っています。
全ては、患者さんとメンバーのために・・・
下田孝義
医療法人社団徹心会ハートフル歯科